幼い頃、義母に酸で顔を焼かれた公爵令嬢は、それでも愛してくれた王太子が冤罪で追放されたので、ついていくことにしました。

克全

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8話

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「邪魔をすれば殺します。
 レオナルド様と私の邪魔をする者は、容赦せず殺します。
 ネイサンに何か言われたら、殺されそうになって逃げたと言いなさい。
 さあ、さっさとどきなさい!」

 私が領地に戻ると、家臣達の中に邪魔する者がいました。
 私の家臣にも手を伸ばしていたのでしょう。
 こんな事になっているのにも、全く気がついていませんでした。
 情けない話です。
 ですが、こんな私にも、忠誠を尽くしてくれる者はいました。

「こちらでございます。
 お嬢様のモノを盗もうとした者は処分しておきました。
 こちらが金貨より価値の高い換金できる宝石でございます。
 こちらが街や村で必要になる銀貨銅貨です。
 こちらが乗馬服と着替えでございます。
 所々に宝石を縫い付けてありますので、非常時に使ってください」

 レオナルド様と私は、侍女頭ソニーの案内で必要なモノを手に入れました。
 旅に必要な諸々の武器や道具に貴金属です。
 できる限り多額の金額財宝を持ち出せるように、準備を整えてくれていました。
 特に宝石類が多いのには驚きました。
 もしかしたら、事が起こってから換金してくれていたのかもしれません。
 よく見れば絵画などの美術品がなくなっています。

「レオナルド様、お嬢様。
 私も含めて僅か四人ではございますが、お供したいと言っている者がございます。
 お連れ頂けますでしょうか?」

 私は一瞬戸惑いました。
 これほどの刑を受けて、国から逃げ出そうとする私達です。
 ついてきてくれる者がいるとは思いませんでした。
 それに、アイラやネイサンの放った刺客や密偵とも考えられるのです。
 無意識にレオナルド様を見ていました。

「もちろんだよ!
 君のような忠臣についてきてもらえたら安心だよ。
 さすがジェミーだね。
 私についてきてくれる者は一人もいなかったのに、四人もの家臣がついてきてくれるんだね」

「ええ、もちろんよ。
 ごめんね、直ぐに返事できなくて。
 一瞬刺客や密偵を疑ってしまったの。
 裏切られて人が信じられなくなっているの。
 こんなに忠義を示している貴方達を疑うなんて、失礼極まりないわね。
 この通り、謝ります。
 どうかレオナルド様と私を助けてください」

 レオナルド様は即座に認め褒め称えられました。
 私にはできない事です。
 本当に心優しい方です。
 でも私は人を信じられなくなっているのです。
 だから一瞬返事ができなかったのです。

 でも、レオナルド様の返事を聞いて、心を改めました。
 そして率直に謝りました。
 助けてくださいとお願いしました。
 私達は直ぐに領地から逃げ出しました。
 ソニーが用意していてくれた軍馬、予備の替え馬にも荷物を運ばせて、十八頭に分乗して逃げたのです。
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