12 / 16
11話
しおりを挟む
「そうですか、それは大変でしたね。
ですがもう安心です。
なんの心配もありません。
狭いところですが、どうか寛いでください」
私達は国境を密出国して、マクリントッンナル王国の南にあるラスドネル王国に入りましたが、宿泊する場所は厳選しました。
私達はラスドネル王国の実情を知りません。
私達を苦しめ殺そうとするアイラ達と繋がっている犯罪者ギルドに、私達を売り渡すような宿屋があるかもしれません。
私達に、親切そうに同情しているように近づいて、アイラ達と通じている貴族士族がいるかもしれません。
それは神殿関係者も同じですが、私達はもっと大きな利を最初に提示しました。
その利は神殿関係者も無視できるものではないでしょう。
それに、悪事千里を走るとはよく言ったもので、アイラ達の悪事は、ほぼ正確にラスドネル王国に伝わっていました。
処罰されていた時のレオナルド様や私以上に、正確な情報を得ていました。
レオナルド様と私が、ソニー侍女頭に教えてもらって初めて知った事も、ほぼ正確に伝わっていました。
もしかしたら、ソニーが噂を流してくれた成果かもしれません。
だから、少しでも良心のある人は、レオナルド様と私に同情してくれています。
慈愛の心のある人は、救いの手を差し伸べてくれようとします。
問題は、レオナルド様と私に、人の正邪の判断ができなことです。
ソニーといえども、何の情報もなしには判断できないそうです。
だからこそ、以前から調べていた生命神殿にかけたのです。
でもそれが、私にはうれしい事態となりました。
生命神殿は性と誕生を司る生命神を祭る神殿です。
他の神殿のように、男女の性交を禁じたりはしません。
さすがに節操のない性交は禁じていますが、夫婦や婚約者を神殿内で同室させてくれるなど、とても融通が利きます。
だからレオナルド様と私も、同室させてくれました。
性交後の清めの準備まで整えてくれて……
レオナルド様と私は、生命神殿で初めての時を迎えました。
過酷な状況の連続が、互いを興奮させていたのは事実です。
ですが、私には恐怖がありました。
酸に焼かれた化け物のような醜い顔です。
正直に言えば、心の情愛はともかく、身体の性愛は不可能かもしれないと、半ばあきらめていたのです。
「容姿は月日と共に変わっていくものだよ。
でも心の美しさは一生変わらないよ。
私の眼には、ジェミーの心の美しさが見えるんだよ」
そう言って、優しく、でも情熱的に、愛してくださいました。
互いに初めてなので、最初は上手くいきませんでしたが、夜が明けるまでには愛しあう事に成功しました。
私はこの日の事を生涯忘れません。
ですがもう安心です。
なんの心配もありません。
狭いところですが、どうか寛いでください」
私達は国境を密出国して、マクリントッンナル王国の南にあるラスドネル王国に入りましたが、宿泊する場所は厳選しました。
私達はラスドネル王国の実情を知りません。
私達を苦しめ殺そうとするアイラ達と繋がっている犯罪者ギルドに、私達を売り渡すような宿屋があるかもしれません。
私達に、親切そうに同情しているように近づいて、アイラ達と通じている貴族士族がいるかもしれません。
それは神殿関係者も同じですが、私達はもっと大きな利を最初に提示しました。
その利は神殿関係者も無視できるものではないでしょう。
それに、悪事千里を走るとはよく言ったもので、アイラ達の悪事は、ほぼ正確にラスドネル王国に伝わっていました。
処罰されていた時のレオナルド様や私以上に、正確な情報を得ていました。
レオナルド様と私が、ソニー侍女頭に教えてもらって初めて知った事も、ほぼ正確に伝わっていました。
もしかしたら、ソニーが噂を流してくれた成果かもしれません。
だから、少しでも良心のある人は、レオナルド様と私に同情してくれています。
慈愛の心のある人は、救いの手を差し伸べてくれようとします。
問題は、レオナルド様と私に、人の正邪の判断ができなことです。
ソニーといえども、何の情報もなしには判断できないそうです。
だからこそ、以前から調べていた生命神殿にかけたのです。
でもそれが、私にはうれしい事態となりました。
生命神殿は性と誕生を司る生命神を祭る神殿です。
他の神殿のように、男女の性交を禁じたりはしません。
さすがに節操のない性交は禁じていますが、夫婦や婚約者を神殿内で同室させてくれるなど、とても融通が利きます。
だからレオナルド様と私も、同室させてくれました。
性交後の清めの準備まで整えてくれて……
レオナルド様と私は、生命神殿で初めての時を迎えました。
過酷な状況の連続が、互いを興奮させていたのは事実です。
ですが、私には恐怖がありました。
酸に焼かれた化け物のような醜い顔です。
正直に言えば、心の情愛はともかく、身体の性愛は不可能かもしれないと、半ばあきらめていたのです。
「容姿は月日と共に変わっていくものだよ。
でも心の美しさは一生変わらないよ。
私の眼には、ジェミーの心の美しさが見えるんだよ」
そう言って、優しく、でも情熱的に、愛してくださいました。
互いに初めてなので、最初は上手くいきませんでしたが、夜が明けるまでには愛しあう事に成功しました。
私はこの日の事を生涯忘れません。
143
あなたにおすすめの小説
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
目が覚めると私は昔読んでいた本の中の登場人物、公爵家の後妻となった元王女ビオラに転生していた。
人嫌いの公爵は、王家によって組まれた前妻もビオラのことも毛嫌いしており、何をするのも全て別。二人の結婚には愛情の欠片もなく、ビオラは使用人たちにすら相手にされぬ生活を送っていた。
それでもめげずにこの家にしがみついていたのは、ビオラが公爵のことが本当に好きだったから。しかしその想いは報われることなどなく彼女は消え、私がこの体に入ってしまったらしい。
嫌われ者のビオラに転生し、この先どうしようかと考えあぐねていると、この物語の主人公であるルカが声をかけてきた。物語の中で悲惨な幼少期を過ごし、闇落ち予定のルカは純粋なまなざしで自分を見ている。天使のような可愛らしさと優しさに、気づけば彼を救って本物の家族になりたいと考える様に。
二人一緒ならばもう孤独ではないと、私はルカとの絆を深めていく。
するといつしか私を取り巻く周りの人々の目も、変わり始めるのだったーー
[完結]出来損ないと言われた令嬢、実は規格外でした!
青空一夏
恋愛
「おまえなど生まれてこなければ良かったのだ!」そうお父様に言われ続けた私。高位貴族の令嬢だったお母様は、お父様に深く愛され、使用人からも慕われていた。そのお母様の命を奪ってこの世に生まれた私。お母様を失ったお父様は、私を憎んだ。その後、お父様は平民の女性を屋敷に迎え入れ、その女性に子供ができる。後妻に屋敷の切り盛りを任せ、私の腹違いの妹を溺愛するお父様は、私を本邸から追い出し離れに住まわせた。私は、お父様からは無視されるか罵倒されるか、使用人からは見下されている。そんな私でも家庭教師から褒められたことは嬉しい出来事だった。この家庭教師は必ず前日に教えた内容を、翌日に試験する。しかし、その答案用紙さえも、妹のものとすり替えられる。それは間違いだらけの答案用紙で、「カーク侯爵家の恥さらし。やはりおまえは生まれてくるべきじゃなかったんだな」と言われた。カーク侯爵家の跡継ぎは妹だと言われたが、私は答案用紙をすり替えられたことのほうがショックだった。やがて学園に入学するのだがーー
これは父親から嫌われたヒロインが、後妻と腹違いの妹に虐げられたり、学園でも妹に嫌がらせされるなか、力に目覚め、紆余曲折ありながらも幸せになる、ラブストーリー。
※短編の予定ですが、長編になる可能性もあります。
(完)婚約解消からの愛は永遠に
青空一夏
恋愛
エリザベスは、火事で頬に火傷をおった。その為に、王太子から婚約解消をされる。
両親からも疎まれ妹からも蔑まれたエリザベスだが・・・・・・
5話プラスおまけで完結予定。
(完結)私より妹を優先する夫
青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。
ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。
ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる