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第1章
第37話:ダンジョン・アタック
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予言精霊ディースのお陰で、純血種竜が住むには魔力が足らず、亜竜なら十分に住める大魔境にある、丁度良いダンジョンがみつかった。
急いで亜竜の縄張りにあるダンジョンに行き、ディースが教えてくれた地下百階まで一気に降りて、そこに現れるモンスターを狩った。
「なんで亜竜を狙うダンジョンのモンスターが亜竜なんだ?」
「そりゃあ、亜竜に勝てるのは同じ亜竜か純血種竜だけだからだろう」
「もっと深く潜ったら、セント・エンシェント・ドラゴンの血や鱗をドロップしないかしら?」
「残念ね、このダンジョンではセント・エンシェント・ドラゴンは現れないわ。
最深部まで潜ってもヤング・ドラゴンまでしか現れないわ」
予言精霊ディースが希望を打ち砕く事を言った。
「それは、この辺りに住む最強の亜竜でもヤング・ドラゴンには勝てないからか?」
「そうだと思うけれど、はっきり分からないわ。
これ以上予言しろなんて言わないでよ、もうクタクタなんだからね!」
「すまん、頑張ってくれたんだな」
「そうよ、倒れそうなくらい頑張ったんだから、亜竜の肉がドロップしたら私にも食べさせてよね!」
「エルダー・サブ・ドラゴンの肉か、美味いんだろうな」
「俺も腹一杯エルダー・サブ・ドラゴンの肉を食べたいよ」
四人は精霊たちと軽口を叩いているように見えるが、少なくともカインとアベルは必死でレベル上げをしていた。
サブ・ドラゴンとはいえ、エルダー級の超強力な竜種なのだ。
その強さは桁外れで、ライアンが斃した10トン級の亜竜とは比較にならない。
そんな強大な亜竜を、四人と精霊たちで斃すのだから大変だ。
その上、悪神ロキの眷属に対するような、属性による強大な補正がない。
エルダー・サブ・ドラゴンにはエマの聖なる補正が効かないのだ。
ライアンの身体強化はあるが、亜竜にも竜族独特の体力と強大な魔術がある。
純血種竜のようなブレスは吐けないが、人間とは比較にならない強大な身体能力があり、くしゃみ一つで人間を叩き潰せる。
「「フィジカル・ストゥレンクス」」
カインとアベルがライアンに身体強化魔術を重ね掛けする。
軍神テュールの加護であるライアンの身体強化に、更に重ねて魔術による身体強化ができるか試しているのだ。
「「リサシテイション」」
とんでもなくレベルが上がったエマが聖治癒術で蘇生させるまえに、カインとアベルが二重掛けで猟犬見習を蘇生できるか試す。
単に試すだけでなく、カインとアベルの治癒魔術レベルを上げようとしている。
エマなら確実に猟犬見習たちを蘇生させられると、予言精霊ディースに断言してくれたからこそ、こんな情け容赦のないレベル上げができるのだ。
かなりレベルが上がっているとはいえ、エルダー・サブ・ドラゴンを相手のレベル上げに、猟犬見習たちを加える事など普通はできない。
鼻息が当たっただけで魔力による防御を吹き飛ばされ、身体がバラバラになって死んでしまうのだから、心優しい人間には絶対にできない。
絶対に蘇生できると分かっていても、良心が痛んでできない。
だが、弱肉強食の大魔境で生き残る術を叩き込まれた四人は違う。
アイリスがロキの呪いを受ける前は、エマもライアンもちょっと強いだけの村人で、大魔境で生き残るためには猟犬を生贄にするのが当たり前だった。
猟犬はできるだけ殺さないようにするが、家畜は普通に食べていた。
村の中で守りきれない数に増えた家畜は、殺して食べていた。
猟犬も、魔獣に襲われたら囮にして、自分たちだけ逃げるのが普通だった。
それを常識として育った四人は、失敗せずに蘇生できるのなら、死なせる事を前提にしたレベル上げでも平気でやれるのだ。
それは猟犬だけではない、互いの命も同じだった。
予言でエマの蘇生が失敗する可能性があると言われなければ、確実に成功すると言われていたら、カインとアベルは自分たちが死ぬ事を前提にした、苛烈なレベル上げをしていただろう。
今回重傷までと決めてレベル上げしているのは、予言で死ぬ可能性があると言われたからだ。
どのような手段を使ってでも、カインとアベルが治癒魔術のレベルを上げたかったからだ。
もっと安全確実に、ライアンからおこぼれをもらう形でのレベル上げもできたが、それではヴァンパイアを滅ぼせる治癒魔術のレベルが上がらない。
自分たちが重傷になり、それを互いに直す事で、治癒魔術のレベルを上げた。
「「エクスプロージョン」」
カインとアベルが、新たに表れたエルダー・サブ・ドラゴンに完全同調させた爆裂魔術を叩きつける。
著しくレベルが上がった魔術を上手く使うための練習でもあり、二人だけでエルダー・サブ・ドラゴンを斃せるか試したのだ。
「「ヘルファイア」」
続いてカインとアベルが放ったのは、地獄の炎を現世に召喚するという火炎魔術を完全同調させたものだ。
エルダー・サブ・ドラゴンに叩きつけて効果を確かめている。
「「ヘルズ・フリーズ」」
「「ヘルズ・ライトニング」」
「「ヘルズ・ストーム」」
「「ヘルズ・マッドスライド」」
「「ヘルズ・フロスト」」
「「ヘルズ・パイロウクラスティク・フロー」」
地獄の氷結魔術、地獄の雷撃魔術、地獄の嵐魔術、地獄の土石流魔術、地獄の森林魔術、地獄の火砕流魔術といった五属性最強の魔術を叩きつけた。
カインとアベルは急激に上がった魔力と魔術レベルを確かめ続けた。
そのお陰かエルダー・サブ・ドラゴンを一撃で斃せるようになった。
「次はエンシェント・サブ・ドラゴンを相手にレベル上げだ」
「次は私のレベルを上げさせてね、もう日暮れまで時間がないわ」
「「分かった」」
「日暮れ一時間前にはダンジョンから出てヴァンパイアを迎え討つぞ」
急いで亜竜の縄張りにあるダンジョンに行き、ディースが教えてくれた地下百階まで一気に降りて、そこに現れるモンスターを狩った。
「なんで亜竜を狙うダンジョンのモンスターが亜竜なんだ?」
「そりゃあ、亜竜に勝てるのは同じ亜竜か純血種竜だけだからだろう」
「もっと深く潜ったら、セント・エンシェント・ドラゴンの血や鱗をドロップしないかしら?」
「残念ね、このダンジョンではセント・エンシェント・ドラゴンは現れないわ。
最深部まで潜ってもヤング・ドラゴンまでしか現れないわ」
予言精霊ディースが希望を打ち砕く事を言った。
「それは、この辺りに住む最強の亜竜でもヤング・ドラゴンには勝てないからか?」
「そうだと思うけれど、はっきり分からないわ。
これ以上予言しろなんて言わないでよ、もうクタクタなんだからね!」
「すまん、頑張ってくれたんだな」
「そうよ、倒れそうなくらい頑張ったんだから、亜竜の肉がドロップしたら私にも食べさせてよね!」
「エルダー・サブ・ドラゴンの肉か、美味いんだろうな」
「俺も腹一杯エルダー・サブ・ドラゴンの肉を食べたいよ」
四人は精霊たちと軽口を叩いているように見えるが、少なくともカインとアベルは必死でレベル上げをしていた。
サブ・ドラゴンとはいえ、エルダー級の超強力な竜種なのだ。
その強さは桁外れで、ライアンが斃した10トン級の亜竜とは比較にならない。
そんな強大な亜竜を、四人と精霊たちで斃すのだから大変だ。
その上、悪神ロキの眷属に対するような、属性による強大な補正がない。
エルダー・サブ・ドラゴンにはエマの聖なる補正が効かないのだ。
ライアンの身体強化はあるが、亜竜にも竜族独特の体力と強大な魔術がある。
純血種竜のようなブレスは吐けないが、人間とは比較にならない強大な身体能力があり、くしゃみ一つで人間を叩き潰せる。
「「フィジカル・ストゥレンクス」」
カインとアベルがライアンに身体強化魔術を重ね掛けする。
軍神テュールの加護であるライアンの身体強化に、更に重ねて魔術による身体強化ができるか試しているのだ。
「「リサシテイション」」
とんでもなくレベルが上がったエマが聖治癒術で蘇生させるまえに、カインとアベルが二重掛けで猟犬見習を蘇生できるか試す。
単に試すだけでなく、カインとアベルの治癒魔術レベルを上げようとしている。
エマなら確実に猟犬見習たちを蘇生させられると、予言精霊ディースに断言してくれたからこそ、こんな情け容赦のないレベル上げができるのだ。
かなりレベルが上がっているとはいえ、エルダー・サブ・ドラゴンを相手のレベル上げに、猟犬見習たちを加える事など普通はできない。
鼻息が当たっただけで魔力による防御を吹き飛ばされ、身体がバラバラになって死んでしまうのだから、心優しい人間には絶対にできない。
絶対に蘇生できると分かっていても、良心が痛んでできない。
だが、弱肉強食の大魔境で生き残る術を叩き込まれた四人は違う。
アイリスがロキの呪いを受ける前は、エマもライアンもちょっと強いだけの村人で、大魔境で生き残るためには猟犬を生贄にするのが当たり前だった。
猟犬はできるだけ殺さないようにするが、家畜は普通に食べていた。
村の中で守りきれない数に増えた家畜は、殺して食べていた。
猟犬も、魔獣に襲われたら囮にして、自分たちだけ逃げるのが普通だった。
それを常識として育った四人は、失敗せずに蘇生できるのなら、死なせる事を前提にしたレベル上げでも平気でやれるのだ。
それは猟犬だけではない、互いの命も同じだった。
予言でエマの蘇生が失敗する可能性があると言われなければ、確実に成功すると言われていたら、カインとアベルは自分たちが死ぬ事を前提にした、苛烈なレベル上げをしていただろう。
今回重傷までと決めてレベル上げしているのは、予言で死ぬ可能性があると言われたからだ。
どのような手段を使ってでも、カインとアベルが治癒魔術のレベルを上げたかったからだ。
もっと安全確実に、ライアンからおこぼれをもらう形でのレベル上げもできたが、それではヴァンパイアを滅ぼせる治癒魔術のレベルが上がらない。
自分たちが重傷になり、それを互いに直す事で、治癒魔術のレベルを上げた。
「「エクスプロージョン」」
カインとアベルが、新たに表れたエルダー・サブ・ドラゴンに完全同調させた爆裂魔術を叩きつける。
著しくレベルが上がった魔術を上手く使うための練習でもあり、二人だけでエルダー・サブ・ドラゴンを斃せるか試したのだ。
「「ヘルファイア」」
続いてカインとアベルが放ったのは、地獄の炎を現世に召喚するという火炎魔術を完全同調させたものだ。
エルダー・サブ・ドラゴンに叩きつけて効果を確かめている。
「「ヘルズ・フリーズ」」
「「ヘルズ・ライトニング」」
「「ヘルズ・ストーム」」
「「ヘルズ・マッドスライド」」
「「ヘルズ・フロスト」」
「「ヘルズ・パイロウクラスティク・フロー」」
地獄の氷結魔術、地獄の雷撃魔術、地獄の嵐魔術、地獄の土石流魔術、地獄の森林魔術、地獄の火砕流魔術といった五属性最強の魔術を叩きつけた。
カインとアベルは急激に上がった魔力と魔術レベルを確かめ続けた。
そのお陰かエルダー・サブ・ドラゴンを一撃で斃せるようになった。
「次はエンシェント・サブ・ドラゴンを相手にレベル上げだ」
「次は私のレベルを上げさせてね、もう日暮れまで時間がないわ」
「「分かった」」
「日暮れ一時間前にはダンジョンから出てヴァンパイアを迎え討つぞ」
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