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1話初日の出来事1
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「モドイド公爵家令嬢シャロン、不敬罪により婚約を破棄し追放刑とする」
エドワド王太子は、婚約者だったシャロンに冷たく言い放った。
モドイド公爵家長女のシャロンは、異母妹ジェスナに陥れられた。
いや、家族全員に裏切られたのだ。
シャロンは先妻ロージーの子供で、妹のジェスナとは母親が違った。
シャロンの母親ロージーは、父モドイド公爵の愛人だったイザベルに毒殺されていたが、それは父モドイド公爵の黙認の上でやられた凶行だった。
本当ならシャロンも、後妻に入ったイザベルに殺されている所だったが、王家を乗っ取る心算だったモドイド公爵の手駒、道具として生かされていた。
王太子だった第一王子ウイケルの婚約者には、イザベルの娘ジェスナが選ばれ、シャロンは第二王子エドワドの婚約者にされていた。
普通の貴族の常識では、長女が王太子ウイケルの婚約者に選ばれるところが、極悪夫人イザベルの裏工作で逆転していた。
モドイド公爵は王太子と第二王子を押さえて、王家の実権を奪おうとしていた。
ウイケル王太子が毒殺されなければ、モドイド公爵の思い通りになっていた。
だがウイケル王太子が毒殺されてしまった。
国王になりたかったエドワド第二王子が、実の兄を謀殺したのだ。
なんとも酷い話だった。
だがこんな時のために、モドイド公爵はエドワド王子の婚約者にシャロンを押し込んでいた。
何事もなければ、シャロンは愚かで残虐なエドワド王子と結婚させられていたが、ロナンデル王国はあれほどの混乱と不幸に覆われなかっただろう。
だが何事もなく終わらなかった。
どうしても王妃に成りたかったジェスナが、身体を張ってエドワド王子を籠絡し、エドワドにシャロンとの婚約を破棄させ、自分を婚約者に選ばせたのだ。
「はい、謹んで罰をお受けさせていただきます」
シャロンは無実の罪を受け入れた。
抵抗しても無駄だと知っていた。
何を訴えても、黙殺されるか更なる罪を捏造されるだけだと知っていた。
イザベルによる長年の虐待で、生き残るための術を身につけていた。
それは逃げる事だった。
無理に抵抗するのではなく、戦略的撤退をする事で、生き残る事を最優先した。
実の母を毒殺された現実が、名誉や誇りよりも、命を優先する性格にシャロンを育てていた。
(龍ちゃんごめんね。
もう会いに行けなくなっちゃった)
シャロンは心の中で謝った。
この国を守る守護龍に心から謝った。
王家の人々の魂が穢れ、もう誰も入れなくなってしまった守護龍の間。
国を災厄から護る、神に匹敵する龍が住むと伝えられる、王城の地下深くにある部屋だったが、シャロンはそこに入って守護龍と魂を通わせていたのだ。
(謝る必要なんてないよ。
僕はシャロンと一緒に行くんだから)
エドワド王太子は、婚約者だったシャロンに冷たく言い放った。
モドイド公爵家長女のシャロンは、異母妹ジェスナに陥れられた。
いや、家族全員に裏切られたのだ。
シャロンは先妻ロージーの子供で、妹のジェスナとは母親が違った。
シャロンの母親ロージーは、父モドイド公爵の愛人だったイザベルに毒殺されていたが、それは父モドイド公爵の黙認の上でやられた凶行だった。
本当ならシャロンも、後妻に入ったイザベルに殺されている所だったが、王家を乗っ取る心算だったモドイド公爵の手駒、道具として生かされていた。
王太子だった第一王子ウイケルの婚約者には、イザベルの娘ジェスナが選ばれ、シャロンは第二王子エドワドの婚約者にされていた。
普通の貴族の常識では、長女が王太子ウイケルの婚約者に選ばれるところが、極悪夫人イザベルの裏工作で逆転していた。
モドイド公爵は王太子と第二王子を押さえて、王家の実権を奪おうとしていた。
ウイケル王太子が毒殺されなければ、モドイド公爵の思い通りになっていた。
だがウイケル王太子が毒殺されてしまった。
国王になりたかったエドワド第二王子が、実の兄を謀殺したのだ。
なんとも酷い話だった。
だがこんな時のために、モドイド公爵はエドワド王子の婚約者にシャロンを押し込んでいた。
何事もなければ、シャロンは愚かで残虐なエドワド王子と結婚させられていたが、ロナンデル王国はあれほどの混乱と不幸に覆われなかっただろう。
だが何事もなく終わらなかった。
どうしても王妃に成りたかったジェスナが、身体を張ってエドワド王子を籠絡し、エドワドにシャロンとの婚約を破棄させ、自分を婚約者に選ばせたのだ。
「はい、謹んで罰をお受けさせていただきます」
シャロンは無実の罪を受け入れた。
抵抗しても無駄だと知っていた。
何を訴えても、黙殺されるか更なる罪を捏造されるだけだと知っていた。
イザベルによる長年の虐待で、生き残るための術を身につけていた。
それは逃げる事だった。
無理に抵抗するのではなく、戦略的撤退をする事で、生き残る事を最優先した。
実の母を毒殺された現実が、名誉や誇りよりも、命を優先する性格にシャロンを育てていた。
(龍ちゃんごめんね。
もう会いに行けなくなっちゃった)
シャロンは心の中で謝った。
この国を守る守護龍に心から謝った。
王家の人々の魂が穢れ、もう誰も入れなくなってしまった守護龍の間。
国を災厄から護る、神に匹敵する龍が住むと伝えられる、王城の地下深くにある部屋だったが、シャロンはそこに入って守護龍と魂を通わせていたのだ。
(謝る必要なんてないよ。
僕はシャロンと一緒に行くんだから)
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