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第34話202日目の出来事
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「龍ちゃん、ちゃんと食糧や素材は配れているの?」
「大丈夫だよ。
シャロンがたくさん狩ってくれたから、有り余るほどだよ。
なんなら一緒に確認するかい?」
「いいの、龍ちゃん」
「いいよ。
今なら数カ月狩りをしなくても大丈夫な位の肉と素材があるよ」
神龍は真実を話していた。
人口が百分の一以下に激減したロナンデル王国では、シャロンが狩った魔獣素材が有り余っていた。
神龍とシャロンの魔法袋で保管している間はいいが、国内に流通させると劣化してしまうのだ。
特に肉の場合は、劣化してしまったら食料にできなくなってしまう。
穀物と違って長期保存ができないのだ。
穀物ならば、適切な状態場所で保存すれば、三十年以上の長期保存が可能だ。
神龍がシャロンに頼まれて創り上げた豊穣の楽園では、神龍鱗兵が小麦・玄米・大麦・ライ麦・玉蜀黍・稗・粟・黍を収穫している。
だがこれを神龍は人間には与えていない。
シャロンのために備蓄していた。
とても人間一人で消費できるような量ではない。
生き残ったロナンデル王国民が百年以上お腹一杯食べられるほどの量だ。
「龍ちゃん。
あれは何をしているの?」
「干肉を作っているんだよ。
脂肪を取り除いて強く乾燥させてから冷暗所で保存すれば、半年は保存できるよ」
「そうなんだ。
半年もてばいいね。
あれは何をしているの?」
「あれは塩漬け肉を作っているんだよ。三割以上の大量の塩で漬ければ、一年くらいは保存できるからね」
「え?
だったら大量の塩が必要なの?
塩はあるの?」
「いや、塩はそれほど多くないよ」
「だったら塩を作らないといけないんだよね?
手伝ってくれる、龍ちゃん」
「いいよ、いくらでも手伝ってあげるよ」
神龍とシャロンは海上に向かった。
海上で大規模な魔法を使って、海水を塩と真水に分けた。
塩は当然民の分け与えるためのモノだが、真水も捨てなかった。
莫大な量の真水を魔法袋に入れた持ち帰り、乾燥地帯に粘土層を作り、そこに莫大な量の真水を注ぎ、農業用の湖沼とした。
だがそれだけでは直ぐに乾燥して蒸発してしまう。
だから乾燥しないように、地底湖まで作った。
必要な量だけ井戸で汲み上げられるようにしたのだ。
神龍では考えられない人間想いの行動だったが、全て戦いの女神セクメトのいたずらで、秘かにシャロンに知恵をつけていたのだ。
別に戦争を起こそうとか、謀略戦をしようとかした訳ではなかった。
単に大嫌いな人間のために働く神龍の姿を見て笑いたかっただけだ。
まるで子供なようないたずら好きの性格に強大な力、それが神の姿だった。
「大丈夫だよ。
シャロンがたくさん狩ってくれたから、有り余るほどだよ。
なんなら一緒に確認するかい?」
「いいの、龍ちゃん」
「いいよ。
今なら数カ月狩りをしなくても大丈夫な位の肉と素材があるよ」
神龍は真実を話していた。
人口が百分の一以下に激減したロナンデル王国では、シャロンが狩った魔獣素材が有り余っていた。
神龍とシャロンの魔法袋で保管している間はいいが、国内に流通させると劣化してしまうのだ。
特に肉の場合は、劣化してしまったら食料にできなくなってしまう。
穀物と違って長期保存ができないのだ。
穀物ならば、適切な状態場所で保存すれば、三十年以上の長期保存が可能だ。
神龍がシャロンに頼まれて創り上げた豊穣の楽園では、神龍鱗兵が小麦・玄米・大麦・ライ麦・玉蜀黍・稗・粟・黍を収穫している。
だがこれを神龍は人間には与えていない。
シャロンのために備蓄していた。
とても人間一人で消費できるような量ではない。
生き残ったロナンデル王国民が百年以上お腹一杯食べられるほどの量だ。
「龍ちゃん。
あれは何をしているの?」
「干肉を作っているんだよ。
脂肪を取り除いて強く乾燥させてから冷暗所で保存すれば、半年は保存できるよ」
「そうなんだ。
半年もてばいいね。
あれは何をしているの?」
「あれは塩漬け肉を作っているんだよ。三割以上の大量の塩で漬ければ、一年くらいは保存できるからね」
「え?
だったら大量の塩が必要なの?
塩はあるの?」
「いや、塩はそれほど多くないよ」
「だったら塩を作らないといけないんだよね?
手伝ってくれる、龍ちゃん」
「いいよ、いくらでも手伝ってあげるよ」
神龍とシャロンは海上に向かった。
海上で大規模な魔法を使って、海水を塩と真水に分けた。
塩は当然民の分け与えるためのモノだが、真水も捨てなかった。
莫大な量の真水を魔法袋に入れた持ち帰り、乾燥地帯に粘土層を作り、そこに莫大な量の真水を注ぎ、農業用の湖沼とした。
だがそれだけでは直ぐに乾燥して蒸発してしまう。
だから乾燥しないように、地底湖まで作った。
必要な量だけ井戸で汲み上げられるようにしたのだ。
神龍では考えられない人間想いの行動だったが、全て戦いの女神セクメトのいたずらで、秘かにシャロンに知恵をつけていたのだ。
別に戦争を起こそうとか、謀略戦をしようとかした訳ではなかった。
単に大嫌いな人間のために働く神龍の姿を見て笑いたかっただけだ。
まるで子供なようないたずら好きの性格に強大な力、それが神の姿だった。
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