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第六章
第90話:身勝手
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俺はやっぱりとても身勝手な人間だと確信した。
あれほど優先して助けたい存在だと思っていたコボルト族やオーク族よりも、ミュンのひと言の方がはるかに大切だった。
ミュンと一緒に孤児の世話をする事を最優先にした。
コボルト族やオーク族のために使った時間は、その合間だけだった。
だが少しして大いに反省した。
ミュンのひと言で逆上していた頭が少し冷静になった。
だから孤児の世話をしながら、古代竜級ドッペルゲンガーと補充用圧縮強化魔宝石を創ることにした。
もし俺と同じだけの魔力量を持つ孤児がいたら、覚えて同じことできるようになるかもしれない。
だがそんな人間はいないと思う。
少なくとも俺はまだこの世界に来て出会ったことがない。
今目の前にいる孤児達の中には一人もいない。
だから安心して孤児達の前でもできる。
壮大な魔術を見る事は子供達を興奮させた。
今まで見た事もない鮮やかな魔宝石は孤児達を魅了した。
俺と同じような魔術士になりたいという夢を持たせた。
可哀想だが絶対にかなわない夢だ。
この世界の常識に反する魔力がなければ不可能な魔術なのだ。
だがわずかでも魔力があれば何もできないという訳でもない。
わずかな魔力を効率的に活用する術がないわけではない。
魔石や魔晶石を使って自分の魔力を補う技術もある。
そんな技を孤児達に教える事も俺の大切な役目だ。
ミュンがそれを望んでいるのなら、惜しみなく孤児達に与える。
俺が孤児達の世話をする姿を嬉しそうに見つめるミュンがいる。
そんなミュンの笑顔を見たくて仕方がない俺がいる。
孤児達にとってはミュンが母親であり俺が父親だ
何があっても愛してくれる母親がいて、それほどでもない父親がいる。
自然な家族の形がここにある。
父親には母親のような無償の愛などない。
そんな風に考えている俺は歪んでいるのだろうか。
だが歪んでいようが自分自身を受け入れるしかない。
それが俺の本性だし、そんな俺しか孤児にはいないのだ。
いや、ミュンがいるだけで孤児達は幸せだ。
平気で子供を捨てたり殺したりする母親もいるのだから。
そんな家族ごっこのような生活が半年も続いた頃だろうか。
ごく自然にミュンと愛を交わすことになった。
どちらが誘う事もなく無理する事もなく、本当の夫婦になっていた。
俺が普通に人を愛するためにはそれだけの時間が必要だったのだろう。
家族ごっこの時間がどうしても必要だったのだろう。
「あなた、子供達に勉強を教える時間ですよ」
変わった事と言えば、ミュンが俺の事をブルーノさんではなく「あなた」と呼ぶようになった事。
夫婦になってから、子供達の笑顔が今まで以上に輝いて見えるようになった事。
もう本気でこの世界で生きる事を考えなければいけない。
死ぬのが怖いからとか、痛いのが嫌だからではなく、ミュンと子供達のために長生きしたいから、本気で生きる。
あれほど優先して助けたい存在だと思っていたコボルト族やオーク族よりも、ミュンのひと言の方がはるかに大切だった。
ミュンと一緒に孤児の世話をする事を最優先にした。
コボルト族やオーク族のために使った時間は、その合間だけだった。
だが少しして大いに反省した。
ミュンのひと言で逆上していた頭が少し冷静になった。
だから孤児の世話をしながら、古代竜級ドッペルゲンガーと補充用圧縮強化魔宝石を創ることにした。
もし俺と同じだけの魔力量を持つ孤児がいたら、覚えて同じことできるようになるかもしれない。
だがそんな人間はいないと思う。
少なくとも俺はまだこの世界に来て出会ったことがない。
今目の前にいる孤児達の中には一人もいない。
だから安心して孤児達の前でもできる。
壮大な魔術を見る事は子供達を興奮させた。
今まで見た事もない鮮やかな魔宝石は孤児達を魅了した。
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だがわずかでも魔力があれば何もできないという訳でもない。
わずかな魔力を効率的に活用する術がないわけではない。
魔石や魔晶石を使って自分の魔力を補う技術もある。
そんな技を孤児達に教える事も俺の大切な役目だ。
ミュンがそれを望んでいるのなら、惜しみなく孤児達に与える。
俺が孤児達の世話をする姿を嬉しそうに見つめるミュンがいる。
そんなミュンの笑顔を見たくて仕方がない俺がいる。
孤児達にとってはミュンが母親であり俺が父親だ
何があっても愛してくれる母親がいて、それほどでもない父親がいる。
自然な家族の形がここにある。
父親には母親のような無償の愛などない。
そんな風に考えている俺は歪んでいるのだろうか。
だが歪んでいようが自分自身を受け入れるしかない。
それが俺の本性だし、そんな俺しか孤児にはいないのだ。
いや、ミュンがいるだけで孤児達は幸せだ。
平気で子供を捨てたり殺したりする母親もいるのだから。
そんな家族ごっこのような生活が半年も続いた頃だろうか。
ごく自然にミュンと愛を交わすことになった。
どちらが誘う事もなく無理する事もなく、本当の夫婦になっていた。
俺が普通に人を愛するためにはそれだけの時間が必要だったのだろう。
家族ごっこの時間がどうしても必要だったのだろう。
「あなた、子供達に勉強を教える時間ですよ」
変わった事と言えば、ミュンが俺の事をブルーノさんではなく「あなた」と呼ぶようになった事。
夫婦になってから、子供達の笑顔が今まで以上に輝いて見えるようになった事。
もう本気でこの世界で生きる事を考えなければいけない。
死ぬのが怖いからとか、痛いのが嫌だからではなく、ミュンと子供達のために長生きしたいから、本気で生きる。
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