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第一章
第6話:懲罰・忍者頭キャスバル視点
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ラムダフォード王国は未曽有の混乱に見舞われている。
民から慕われていた聖女アリスが追放され、追放した王太子たちの悪行が表に出たにもかかわらず、国王や重臣たちが我が子可愛さに悪行を隠蔽しようとしたのだ。
それに堪忍袋の緒が切れたスミス公爵が王都から出ていかれ、領都到着後にラムダフォード王国からの分離独立を宣言されたのだ。
ラムダフォード王国の大黒柱だったスミス公爵が国を見限った影響は、愚かな国王や重臣、色餓鬼の王太子一派の想像を絶するモノだった。
国外的な影響は、侵略の好機ととらえた国境を接する国々が、軍隊を動員して侵攻の機会をうかがっている。
国内的な影響は、不正を働いて財をなした政商以外の商人は、家財を処分してスミス公爵領に逃げ出した。
政商がスミス公爵領に逃げこまないのは、悪事を働いて国財を盗んだ自分たちが許されない事を、よく承知しているからだ。
政商たちはこの国を見限って、隣国を引き入れる準備をして国に残るか、隣国に逃げ出して安全を確保するかの二択だった。
まあ、そんな事はどうでもいい事だ。
愚者や悪人が滅ぶのは当然の事で、目くじら立てるような事ではない。
問題は、色餓鬼どもが聖女アリスに八つ当たりしようとしている事だ。
これだけは絶対に防がないと、この国どころか大陸が滅んでしまう。
いや、神様の虫の居所が悪ければ、人類が滅ぼされるかもしれないのだ。
断じて色餓鬼どもの愚行は止めなければならない。
その為に用意したのが、我が家秘伝の猛毒だ。
猛毒とはいっても命を奪う毒ではなく、王侯貴族としての栄誉を奪う毒だ。
この毒は身体の突起部を腐らせる毒で、冒された者は気が狂うほどの激痛に苦しめられながら、鼻、耳・性器・指などの突起部が腐り落ちるのだ。
下賤な貧民の病といわれる梅毒によく似た、鼻が欠けるという症状が現れるため、この毒を受けた者は社交界から追放されるのだ。
昨日その家伝の毒を、高価な酒に混ぜんて王太子一派に飲ませた。
親たちに厳しく叱責され、遊興費も自由な行動も禁止されていた連中は、俺からの差し入れを疑う事なく飲んだ。
それは家に送り込んでいる密偵の知らせで間違いない。
これで奴らが逆恨みで準備していた刺客が放たれる事はないだろう。
そう思う心のどこかで、気を緩めるなと警鐘ならす者がいる。
俺の心の中にいる誰かが、大切な事を見逃している訴えている。
それが何なのかは分からないが、何かを見逃しているのは確かだ。
普通の事なら、自分を鍛えるために時間をかけても考えるのだが、事が人類に滅亡にまで関係するので、ここは正直に父上に相談すべきだろう。
一番大切な事は、この国の事ではなく、人類を滅ぼさせない事であり、その為に聖女アリスを護る事なのだ。
民から慕われていた聖女アリスが追放され、追放した王太子たちの悪行が表に出たにもかかわらず、国王や重臣たちが我が子可愛さに悪行を隠蔽しようとしたのだ。
それに堪忍袋の緒が切れたスミス公爵が王都から出ていかれ、領都到着後にラムダフォード王国からの分離独立を宣言されたのだ。
ラムダフォード王国の大黒柱だったスミス公爵が国を見限った影響は、愚かな国王や重臣、色餓鬼の王太子一派の想像を絶するモノだった。
国外的な影響は、侵略の好機ととらえた国境を接する国々が、軍隊を動員して侵攻の機会をうかがっている。
国内的な影響は、不正を働いて財をなした政商以外の商人は、家財を処分してスミス公爵領に逃げ出した。
政商がスミス公爵領に逃げこまないのは、悪事を働いて国財を盗んだ自分たちが許されない事を、よく承知しているからだ。
政商たちはこの国を見限って、隣国を引き入れる準備をして国に残るか、隣国に逃げ出して安全を確保するかの二択だった。
まあ、そんな事はどうでもいい事だ。
愚者や悪人が滅ぶのは当然の事で、目くじら立てるような事ではない。
問題は、色餓鬼どもが聖女アリスに八つ当たりしようとしている事だ。
これだけは絶対に防がないと、この国どころか大陸が滅んでしまう。
いや、神様の虫の居所が悪ければ、人類が滅ぼされるかもしれないのだ。
断じて色餓鬼どもの愚行は止めなければならない。
その為に用意したのが、我が家秘伝の猛毒だ。
猛毒とはいっても命を奪う毒ではなく、王侯貴族としての栄誉を奪う毒だ。
この毒は身体の突起部を腐らせる毒で、冒された者は気が狂うほどの激痛に苦しめられながら、鼻、耳・性器・指などの突起部が腐り落ちるのだ。
下賤な貧民の病といわれる梅毒によく似た、鼻が欠けるという症状が現れるため、この毒を受けた者は社交界から追放されるのだ。
昨日その家伝の毒を、高価な酒に混ぜんて王太子一派に飲ませた。
親たちに厳しく叱責され、遊興費も自由な行動も禁止されていた連中は、俺からの差し入れを疑う事なく飲んだ。
それは家に送り込んでいる密偵の知らせで間違いない。
これで奴らが逆恨みで準備していた刺客が放たれる事はないだろう。
そう思う心のどこかで、気を緩めるなと警鐘ならす者がいる。
俺の心の中にいる誰かが、大切な事を見逃している訴えている。
それが何なのかは分からないが、何かを見逃しているのは確かだ。
普通の事なら、自分を鍛えるために時間をかけても考えるのだが、事が人類に滅亡にまで関係するので、ここは正直に父上に相談すべきだろう。
一番大切な事は、この国の事ではなく、人類を滅ぼさせない事であり、その為に聖女アリスを護る事なのだ。
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