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第4章 チタン属性でざまぁ編
第188話 おっさん、フェンリルを退治する
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リウ暗殺団はあれから襲っては来ない。
残党はいるはずなんだが、スキル原理主義者は頑張っているらしい。
今日は何人のリウ暗殺団をやりましたとか報告に来る。
斬撃スキルの獲得者が増えた事で戦力が大幅に上がったようだ。
研究所もあれから二つ潰してダンジョンコアを持って来た。
ダイヤモンド魔導士が敵にいてだいぶ手こずったようだった。
究極斬撃スキルを求めてきたので、作ってやった。
「ちょっと困った事が持ち上がった」
宝石魔導士会の本部で、レベッカがどう話を切り出したらいいのか分からないという風情で言った。
「なんだ言ってみろ」
「フェンリルが鉱山の道の近くに居座ったんだ。知っての通りフェンリルは強い。相性によってはドラゴンよりたちが悪い」
「うーん、二三あてがあるのだが、効くのかな。まあやってみるしかないのだが」
俺とアニータは鉱山に通ずる道にやって来た。
辺りは森でどこにフェンリルが潜んでいるのか分からない。
「罠を仕掛けるぞ」
「ウサギを獲るのよね」
「そうだ。どっちが多く捕まえられるか勝負だ。属性魔導、加速」
「ずるい。属性魔導、加速」
加速を使えば素手でウサギも捕まえられる。
足に紐をつけてウサギを杭につないだ。
「俺は6匹。アニータは5匹だな」
「負けちゃった」
「残念賞のチョコレートだ」
「口の中でとろけるぅ」
「美味いだろ、虫歯になるからやらなかったが。あれ、チョコレートで虫歯は迷信だったかな。まあいいや」
「毎日食べたい」
「そう言うと思ったよ。毎日は駄目だ。一週間に一度だな」
「約束だよ」
唸り声がする。
お出でなすったか。
「アニータ、静かに伏せてろ」
「うん」
フェンリルはトラックほどの巨体だった。
視線を外したら、襲い掛かってくる。
直観でそう思った。
ウサギの周りを何回も回ってからパクリと飲み込んだ。
しめしめ食ったぞ。
ウサギの胴体にはご飯を潰して作った糊で、チョコレートとキシリトール飴を貼り付けておいた。
もちろんこれらは魔力通販で買った。
次々にウサギを平らげて最後には痙攣し始めるフェンリル。
「死にさらせ」
俺はメイスで頭を連打した。
ふぅ、死んだか。
フェンリルにチョコレートとキシリトールは効くんだな。
その時がさりと音がした。
見るとさっきのとは別のフェンリルが唸っていた。
やばい。
「アニータ、絶対に動くなよ」
俺はフェンリルと睨み合った。
大口を開けてフェンリルは氷のブレスを吐いた。
冷てぇな。
魔力壁である程度の冷気は遮断しているとはいえじわじわと冷気がしみ込んで来る。
こりゃ長くは持たないな。
ダウンジャケットとダウンパンツを出して急いで羽織る。
そして、ブレスの横から回り込もうとしたが、追尾された。
俺をロックオンしてやがる。
しょうがない。
ブレスに突っ込んでいって、口を抱えて閉じさせた。
暴れるフェンリル。
そんなに口を開けたきゃこれでも食っとけ。
チョコレートとキシリトール飴をこれでもかと口に突っ込んだ。
「属性魔導、念動」
そして、念動を使い、飲み込ませる。
よし、飲んだぞ。
後は待つだけだ。
フェンリルは再びブレスを吐き始めた。
使い捨てカイロを大量に懐に入れる。
全然、暖かくない。
我慢だ。
スキー用の手袋もしておこう。
ついでに目出し帽と毛糸の帽子も。
1分が何時間にも感じられる。
「属性魔導、暑くなって」
アニータが俺に暖気を運んでくれた。
よし、俺も。
壁を作りたいところだが、壁を作ると肉弾戦に移行しそうだ。
「属性魔導、空気よ壁になれ」
おれは空気の壁を作った。
これならフェンリルもブレスを吐き続けるだろう。
いったい、今の温度は何度だ。
温度計を出すとメモリは零下20度を差していた。
壁で遮ってアニータに暖気を送ってもらって20度かよ。
こんなの1分も耐えられないぞ。
なんか、眠いな。
眠ったら死ぬ。
そう思った。
気が付いたらフェンリルは痙攣していた。
今までのお返しだ。
メイスで頭部を乱打した。
ふぃー、暑い。
慌ててダウンジャケットを脱ぐ。
「寒かったね」
「アニータまで冷気が届いたか」
「歯が鳴らないように我慢したの」
「暖気のフォローは助かったよ」
フェンリルは強敵だった。
二度とやりたくない。
残党はいるはずなんだが、スキル原理主義者は頑張っているらしい。
今日は何人のリウ暗殺団をやりましたとか報告に来る。
斬撃スキルの獲得者が増えた事で戦力が大幅に上がったようだ。
研究所もあれから二つ潰してダンジョンコアを持って来た。
ダイヤモンド魔導士が敵にいてだいぶ手こずったようだった。
究極斬撃スキルを求めてきたので、作ってやった。
「ちょっと困った事が持ち上がった」
宝石魔導士会の本部で、レベッカがどう話を切り出したらいいのか分からないという風情で言った。
「なんだ言ってみろ」
「フェンリルが鉱山の道の近くに居座ったんだ。知っての通りフェンリルは強い。相性によってはドラゴンよりたちが悪い」
「うーん、二三あてがあるのだが、効くのかな。まあやってみるしかないのだが」
俺とアニータは鉱山に通ずる道にやって来た。
辺りは森でどこにフェンリルが潜んでいるのか分からない。
「罠を仕掛けるぞ」
「ウサギを獲るのよね」
「そうだ。どっちが多く捕まえられるか勝負だ。属性魔導、加速」
「ずるい。属性魔導、加速」
加速を使えば素手でウサギも捕まえられる。
足に紐をつけてウサギを杭につないだ。
「俺は6匹。アニータは5匹だな」
「負けちゃった」
「残念賞のチョコレートだ」
「口の中でとろけるぅ」
「美味いだろ、虫歯になるからやらなかったが。あれ、チョコレートで虫歯は迷信だったかな。まあいいや」
「毎日食べたい」
「そう言うと思ったよ。毎日は駄目だ。一週間に一度だな」
「約束だよ」
唸り声がする。
お出でなすったか。
「アニータ、静かに伏せてろ」
「うん」
フェンリルはトラックほどの巨体だった。
視線を外したら、襲い掛かってくる。
直観でそう思った。
ウサギの周りを何回も回ってからパクリと飲み込んだ。
しめしめ食ったぞ。
ウサギの胴体にはご飯を潰して作った糊で、チョコレートとキシリトール飴を貼り付けておいた。
もちろんこれらは魔力通販で買った。
次々にウサギを平らげて最後には痙攣し始めるフェンリル。
「死にさらせ」
俺はメイスで頭を連打した。
ふぅ、死んだか。
フェンリルにチョコレートとキシリトールは効くんだな。
その時がさりと音がした。
見るとさっきのとは別のフェンリルが唸っていた。
やばい。
「アニータ、絶対に動くなよ」
俺はフェンリルと睨み合った。
大口を開けてフェンリルは氷のブレスを吐いた。
冷てぇな。
魔力壁である程度の冷気は遮断しているとはいえじわじわと冷気がしみ込んで来る。
こりゃ長くは持たないな。
ダウンジャケットとダウンパンツを出して急いで羽織る。
そして、ブレスの横から回り込もうとしたが、追尾された。
俺をロックオンしてやがる。
しょうがない。
ブレスに突っ込んでいって、口を抱えて閉じさせた。
暴れるフェンリル。
そんなに口を開けたきゃこれでも食っとけ。
チョコレートとキシリトール飴をこれでもかと口に突っ込んだ。
「属性魔導、念動」
そして、念動を使い、飲み込ませる。
よし、飲んだぞ。
後は待つだけだ。
フェンリルは再びブレスを吐き始めた。
使い捨てカイロを大量に懐に入れる。
全然、暖かくない。
我慢だ。
スキー用の手袋もしておこう。
ついでに目出し帽と毛糸の帽子も。
1分が何時間にも感じられる。
「属性魔導、暑くなって」
アニータが俺に暖気を運んでくれた。
よし、俺も。
壁を作りたいところだが、壁を作ると肉弾戦に移行しそうだ。
「属性魔導、空気よ壁になれ」
おれは空気の壁を作った。
これならフェンリルもブレスを吐き続けるだろう。
いったい、今の温度は何度だ。
温度計を出すとメモリは零下20度を差していた。
壁で遮ってアニータに暖気を送ってもらって20度かよ。
こんなの1分も耐えられないぞ。
なんか、眠いな。
眠ったら死ぬ。
そう思った。
気が付いたらフェンリルは痙攣していた。
今までのお返しだ。
メイスで頭部を乱打した。
ふぃー、暑い。
慌ててダウンジャケットを脱ぐ。
「寒かったね」
「アニータまで冷気が届いたか」
「歯が鳴らないように我慢したの」
「暖気のフォローは助かったよ」
フェンリルは強敵だった。
二度とやりたくない。
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