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第5章 アンデッドでざまぁ
第221話 おっさん、ドラゴンを眠らせる
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「指名依頼があります」
「夜の仕事だったら受ける」
「それが。ドラゴン討伐なのですが、巣まで距離がかなりあります。昼、街の外で活動します。問題ないですよね」
大ありだ。
昼、一緒にいたら、日光が当たった体から煙が出るところを見られてしまう。
「討伐は夜なのだろう」
「ええ、眠っているドラゴンを強襲します」
「では俺は単独で行動する。ドラゴンの巣の前で、日が暮れてから落ちあおう」
「仕方ないですね。昼、眠っているのでは、他のメンバーと集団行動は出来ませんから」
「日程表と地図を寄越せ」
日が暮れて、辺りは真っ暗だ。
俺は特別な許可を貰って、閉められた門の脇の通用門から出て行く。
スクーターにまたがって夜の街道をひた走る。
スクーターで行ける所まで行って徒歩に切り替えた。
ポチを背負いから出してやる。
ドラゴン討伐隊は既に出発して、今頃は山でキャンプをしているに違いない。
夜の山道を駆けあがる途中テントの一団を見たがあれが討伐隊だろう。
俺は目的地の洞窟の前にテントを張って夜明けに備えた。
問題は昼に到着する討伐隊が俺のテントを覗かないかという事だ。
対策は考えてある。
ポチに番犬をやらせるようと思う。
「ポチ、頼んだぞ。テントを覗こうとした奴がいたら、噛みついてやれ」
ヴァンパイヤ特有の浅い眠りに入り、日暮れと共に起きた。
どうやら覗かれなかったらしい。
「こんな、薄気味悪い奴が必要なんですかね」
「そう言うなよ。夜のスペシャリストだぞ」
「待たせたな。俺はここから帰っても問題ない」
「そう、むくれるな。今回は眠っているところを起こさずに討伐する。秘策があるそうだな」
「ゴーストのドレインタッチを魔導で再現する」
偽の詠唱をして、実際はアンデッドの能力で低温を起こす。
「そんな事が可能なのか」
「ああ、試してみた。さあ、突入しよう」
俺達は松明も点けずに手探りでドラゴンの下に向かう。
俺は夜目が使えるから、先頭に立って危なげなく歩を進めた。
ドラゴンが丸まって眠っているのが見える。
俺は手で討伐隊を押しとどめた。
俺一人でドラゴンに触る。
「属性魔導、分子よ、振動を止めて温度を下げろ」
俺は魔力を浸透させて低体温を引き起こした。
30分ほどかけてドラゴンの体の隅々まで冷やす。
「もういいぞ。松明を点けて止めを刺してくれ」
「半信半疑だったが、噂より凄腕だ」
「まあな」
松明が灯されドラゴンの首を落とそうと討伐隊が奮闘する。
「かてぇ、硬すぎて剣が通らねえ」
「早くしないとドラゴンが起きちまう」
「急げ急げ」
おいおい、ドラゴンが硬いのは今に始まった事じゃないだろう。
「すまん。手を貸してくれ。ウロコがどうにもならん」
「はいよ。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃がドラゴンのウロコを切り裂く。
「すげぇ。硬いウロコがあっという間だ」
「ぼやぼや、するな。傷口を広げるぞ」
首の傷は広がり辺りには血の匂いが充満した。
血の渇きを感じる。
不味い、暴走しそうだ。
「すまん、腹を壊した。病弱なんだ。勘弁してくれ」
「はははっ。今頃ちびったか。それとも糞を漏らしたか」
俺は笑いを背に洞窟を出て、血を飲んだ。
血の渇きが収まり再び洞窟に戻ると、首は骨を残して切られていた。
「すまん。すっきりした所で骨を切ってくれ」
「中座したお詫びだ。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃がドラゴンの首を切り落とした。
どっと歓声が沸いた。
「アイテムボックスでドラゴンの死骸を運んでやろうか」
「おお、頼む。あんた多芸だな」
アイテムボックスにドラゴンの死骸を入れ、討伐は終わった。
討伐隊がテントを張ってキャンプするのを見届けると、俺は夜の山道を駆け下り始めた。
空中で羽ばたく音がする。
まさかドラゴンがもう一匹いたんじゃないだろうな。
見上げるとヴァンパイヤらしき連中が飛んでいる。
四人いて一人目は翼を背中から出して、二人目は3メートルの凧みたいな物で滑空していた。
三人目は足から炎を出して、四人目は気球のような物にぶら下がっていた。
どうやら真祖はまだ来ないらしい。
反応が普通のヴァンパイヤだ。
俺は山の中腹で立ち止まった。
そう言えば、背中から翼を出すのってどうやるんだ。
指先のヴァンプニウムをナイフみたいに尖らせてみた。
できるものだな。
でも意外に集中力を使う。
完全に奥の手の一つだな。
「夜の仕事だったら受ける」
「それが。ドラゴン討伐なのですが、巣まで距離がかなりあります。昼、街の外で活動します。問題ないですよね」
大ありだ。
昼、一緒にいたら、日光が当たった体から煙が出るところを見られてしまう。
「討伐は夜なのだろう」
「ええ、眠っているドラゴンを強襲します」
「では俺は単独で行動する。ドラゴンの巣の前で、日が暮れてから落ちあおう」
「仕方ないですね。昼、眠っているのでは、他のメンバーと集団行動は出来ませんから」
「日程表と地図を寄越せ」
日が暮れて、辺りは真っ暗だ。
俺は特別な許可を貰って、閉められた門の脇の通用門から出て行く。
スクーターにまたがって夜の街道をひた走る。
スクーターで行ける所まで行って徒歩に切り替えた。
ポチを背負いから出してやる。
ドラゴン討伐隊は既に出発して、今頃は山でキャンプをしているに違いない。
夜の山道を駆けあがる途中テントの一団を見たがあれが討伐隊だろう。
俺は目的地の洞窟の前にテントを張って夜明けに備えた。
問題は昼に到着する討伐隊が俺のテントを覗かないかという事だ。
対策は考えてある。
ポチに番犬をやらせるようと思う。
「ポチ、頼んだぞ。テントを覗こうとした奴がいたら、噛みついてやれ」
ヴァンパイヤ特有の浅い眠りに入り、日暮れと共に起きた。
どうやら覗かれなかったらしい。
「こんな、薄気味悪い奴が必要なんですかね」
「そう言うなよ。夜のスペシャリストだぞ」
「待たせたな。俺はここから帰っても問題ない」
「そう、むくれるな。今回は眠っているところを起こさずに討伐する。秘策があるそうだな」
「ゴーストのドレインタッチを魔導で再現する」
偽の詠唱をして、実際はアンデッドの能力で低温を起こす。
「そんな事が可能なのか」
「ああ、試してみた。さあ、突入しよう」
俺達は松明も点けずに手探りでドラゴンの下に向かう。
俺は夜目が使えるから、先頭に立って危なげなく歩を進めた。
ドラゴンが丸まって眠っているのが見える。
俺は手で討伐隊を押しとどめた。
俺一人でドラゴンに触る。
「属性魔導、分子よ、振動を止めて温度を下げろ」
俺は魔力を浸透させて低体温を引き起こした。
30分ほどかけてドラゴンの体の隅々まで冷やす。
「もういいぞ。松明を点けて止めを刺してくれ」
「半信半疑だったが、噂より凄腕だ」
「まあな」
松明が灯されドラゴンの首を落とそうと討伐隊が奮闘する。
「かてぇ、硬すぎて剣が通らねえ」
「早くしないとドラゴンが起きちまう」
「急げ急げ」
おいおい、ドラゴンが硬いのは今に始まった事じゃないだろう。
「すまん。手を貸してくれ。ウロコがどうにもならん」
「はいよ。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃がドラゴンのウロコを切り裂く。
「すげぇ。硬いウロコがあっという間だ」
「ぼやぼや、するな。傷口を広げるぞ」
首の傷は広がり辺りには血の匂いが充満した。
血の渇きを感じる。
不味い、暴走しそうだ。
「すまん、腹を壊した。病弱なんだ。勘弁してくれ」
「はははっ。今頃ちびったか。それとも糞を漏らしたか」
俺は笑いを背に洞窟を出て、血を飲んだ。
血の渇きが収まり再び洞窟に戻ると、首は骨を残して切られていた。
「すまん。すっきりした所で骨を切ってくれ」
「中座したお詫びだ。属性魔導、刃よ回転して切り刻め」
ダイヤモンドカッターの刃がドラゴンの首を切り落とした。
どっと歓声が沸いた。
「アイテムボックスでドラゴンの死骸を運んでやろうか」
「おお、頼む。あんた多芸だな」
アイテムボックスにドラゴンの死骸を入れ、討伐は終わった。
討伐隊がテントを張ってキャンプするのを見届けると、俺は夜の山道を駆け下り始めた。
空中で羽ばたく音がする。
まさかドラゴンがもう一匹いたんじゃないだろうな。
見上げるとヴァンパイヤらしき連中が飛んでいる。
四人いて一人目は翼を背中から出して、二人目は3メートルの凧みたいな物で滑空していた。
三人目は足から炎を出して、四人目は気球のような物にぶら下がっていた。
どうやら真祖はまだ来ないらしい。
反応が普通のヴァンパイヤだ。
俺は山の中腹で立ち止まった。
そう言えば、背中から翼を出すのってどうやるんだ。
指先のヴァンプニウムをナイフみたいに尖らせてみた。
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