レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太

文字の大きさ
221 / 248
第5章 アンデッドでざまぁ

第221話 おっさん、ドラゴンを眠らせる

しおりを挟む
「指名依頼があります」
「夜の仕事だったら受ける」

「それが。ドラゴン討伐なのですが、巣まで距離がかなりあります。昼、街の外で活動します。問題ないですよね」

 大ありだ。
 昼、一緒にいたら、日光が当たった体から煙が出るところを見られてしまう。

「討伐は夜なのだろう」
「ええ、眠っているドラゴンを強襲します」
「では俺は単独で行動する。ドラゴンの巣の前で、日が暮れてから落ちあおう」
「仕方ないですね。昼、眠っているのでは、他のメンバーと集団行動は出来ませんから」
「日程表と地図を寄越せ」

 日が暮れて、辺りは真っ暗だ。
 俺は特別な許可を貰って、閉められた門の脇の通用門から出て行く。

 スクーターにまたがって夜の街道をひた走る。
 スクーターで行ける所まで行って徒歩に切り替えた。
 ポチを背負いから出してやる。
 ドラゴン討伐隊は既に出発して、今頃は山でキャンプをしているに違いない。

 夜の山道を駆けあがる途中テントの一団を見たがあれが討伐隊だろう。
 俺は目的地の洞窟の前にテントを張って夜明けに備えた。
 問題は昼に到着する討伐隊が俺のテントを覗かないかという事だ。
 対策は考えてある。
 ポチに番犬をやらせるようと思う。

「ポチ、頼んだぞ。テントを覗こうとした奴がいたら、噛みついてやれ」

 ヴァンパイヤ特有の浅い眠りに入り、日暮れと共に起きた。
 どうやら覗かれなかったらしい。

「こんな、薄気味悪い奴が必要なんですかね」
「そう言うなよ。夜のスペシャリストだぞ」

「待たせたな。俺はここから帰っても問題ない」
「そう、むくれるな。今回は眠っているところを起こさずに討伐する。秘策があるそうだな」
「ゴーストのドレインタッチを魔導で再現する」

 偽の詠唱をして、実際はアンデッドの能力で低温を起こす。

「そんな事が可能なのか」
「ああ、試してみた。さあ、突入しよう」

 俺達は松明も点けずに手探りでドラゴンの下に向かう。
 俺は夜目が使えるから、先頭に立って危なげなく歩を進めた。
 ドラゴンが丸まって眠っているのが見える。
 俺は手で討伐隊を押しとどめた。
 俺一人でドラゴンに触る。

属性魔導アトリビュートマジック、分子よ、振動を止めて温度を下げろ」

 俺は魔力を浸透させて低体温を引き起こした。
 30分ほどかけてドラゴンの体の隅々まで冷やす。

「もういいぞ。松明を点けて止めを刺してくれ」
「半信半疑だったが、噂より凄腕だ」
「まあな」

 松明が灯されドラゴンの首を落とそうと討伐隊が奮闘する。

「かてぇ、硬すぎて剣が通らねえ」
「早くしないとドラゴンが起きちまう」
「急げ急げ」

 おいおい、ドラゴンが硬いのは今に始まった事じゃないだろう。

「すまん。手を貸してくれ。ウロコがどうにもならん」
「はいよ。属性魔導アトリビュートマジック、刃よ回転して切り刻め」

 ダイヤモンドカッターの刃がドラゴンのウロコを切り裂く。

「すげぇ。硬いウロコがあっという間だ」
「ぼやぼや、するな。傷口を広げるぞ」

 首の傷は広がり辺りには血の匂いが充満した。
 血の渇きを感じる。
 不味い、暴走しそうだ。

「すまん、腹を壊した。病弱なんだ。勘弁してくれ」
「はははっ。今頃ちびったか。それとも糞を漏らしたか」

 俺は笑いを背に洞窟を出て、血を飲んだ。
 血の渇きが収まり再び洞窟に戻ると、首は骨を残して切られていた。

「すまん。すっきりした所で骨を切ってくれ」
「中座したお詫びだ。属性魔導アトリビュートマジック、刃よ回転して切り刻め」

 ダイヤモンドカッターの刃がドラゴンの首を切り落とした。
 どっと歓声が沸いた。

「アイテムボックスでドラゴンの死骸を運んでやろうか」
「おお、頼む。あんた多芸だな」

 アイテムボックスにドラゴンの死骸を入れ、討伐は終わった。
 討伐隊がテントを張ってキャンプするのを見届けると、俺は夜の山道を駆け下り始めた。
 空中で羽ばたく音がする。
 まさかドラゴンがもう一匹いたんじゃないだろうな。
 見上げるとヴァンパイヤらしき連中が飛んでいる。
 四人いて一人目は翼を背中から出して、二人目は3メートルの凧みたいな物で滑空していた。
 三人目は足から炎を出して、四人目は気球のような物にぶら下がっていた。

 どうやら真祖はまだ来ないらしい。
 反応が普通のヴァンパイヤだ。
 俺は山の中腹で立ち止まった。

 そう言えば、背中から翼を出すのってどうやるんだ。
 指先のヴァンプニウムをナイフみたいに尖らせてみた。
 できるものだな。
 でも意外に集中力を使う。
 完全に奥の手の一つだな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜

夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。 不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。 その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。 彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。 異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!? *小説家になろうでも公開しております。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...