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45.チーム里☆加奈
3.似た者同士
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私(里美)は、陸君への気持ちを洗いざらい話した。別に友達でもない村上さんにこんなに話すなんて、自分でもとても意外に思った。陸君のことをちゃんと話すのは、柚奈に対してだけだった。
村上さんは私の話を相づちも頷きもせず、黙って聞いていた。話終わってしばらく沈黙が続いた後、村上さんが口を開いた。
「有紀がさ、有紀がずっと昔から陸君のこと好きなんだ。
ほら、陸君て7歳までこっちだったでしょ? 有紀と家が近くて幼馴染みだったんだよ」
「そうなの?」
初めて聞いた。小学校が一緒だったことはなんとなく知ってはいたけど、まさか幼馴染みだったとは。
村上さんが頷く。
「うん、私、有紀とは中2からの付き合いなんだけど、当時から陸君のことは聞いて知っていたし」
私は思わず口を開く。私、7歳の渡辺さんに嫉妬でもしているのかな。
「陸君はどうなの?」
村上さんは、少し考え込んだ様子を見せた。
「分かんない、私のことが好きだなんて思ってもみなかったから」
困った笑顔を見せる村上さんに、私はまた思ってもみないことを言う。
「もし村上さんが陸君を好きなら応援するよ」
「いや、私はいいよ、私の好きは恋心じゃないからさ」
少し間を置いて、村上さんは声のトーンを上げた。
「もし応援してくれるって言うなら、有紀子を応援してくれないかな。
今、ほら、2年の子のことがあるじゃん? なんていうんだろ、私からも言いにくいことなんだけど……」
「あれでしょ? 傷心してコロコロっと」
「あはは、うん、そう、それ、コロコロっと」
村上さんは微弱ながらもいつもの笑顔を見せる。男の子の様な笑顔だ。私もつられて弱々しい笑顔を薄らと浮かべて言った。
「でも陸君はまだ村上さんのことが好きだよ」
「それだと、仲直りしにくいんだよね」
「でも、仲直りしないと渡辺さんとも距離あるままじゃないかな。せめて仲良し3人組は復活させて様子見たほうがいいよ」
村上さんはあぐらをかいて、「うーん」と唸って考え込んだ。「でもどうやって?」
「どうやってって……。
……そうだ、偶然を装って2人っきりにしちゃえば? 名付けて、『陸君と渡辺さんをくっつける作戦』」
「どうやるの?」
「私が陸君を誘い出して遊びに行くの。村上さんは渡辺さんを誘い出して、偶然を装って合流。隙をついて私達が抜ければ2人きりじゃない?」
「あ、それいいかも。それだけで2人がくっつくとは思わないけど、でも篠原さんが絡んでくれると、私も仲直りしやすいし」
そう言いながら、私の想いを思い出したのか、村上さんが続けた。
「でもいいの? 篠原さんだって陸君のこと好きなんでしょ?」
私は切なくなった。いいはずなんかないのに、なんてお人よしなんだろう。
「うん、私はいいよ。でも私、渡辺さんとより、村上さんとの方がお似合いだと思うけどな」
「あはははは、私に恋すると火傷するぜ」
「あはははは、村上さんて本当格好良いね」
友達のためにやせ我慢してる。村上さんは少しもそんなそぶりは見せないけど、でも目の奥にもの悲しさが見える。
でもなんかいい気分だ。坂本知恵と渡辺有紀子を目の当たりにして、とても惨めに感じたけど、村上さんを見て清々しく思えた。強がりだけど。
村上さんは私の話を相づちも頷きもせず、黙って聞いていた。話終わってしばらく沈黙が続いた後、村上さんが口を開いた。
「有紀がさ、有紀がずっと昔から陸君のこと好きなんだ。
ほら、陸君て7歳までこっちだったでしょ? 有紀と家が近くて幼馴染みだったんだよ」
「そうなの?」
初めて聞いた。小学校が一緒だったことはなんとなく知ってはいたけど、まさか幼馴染みだったとは。
村上さんが頷く。
「うん、私、有紀とは中2からの付き合いなんだけど、当時から陸君のことは聞いて知っていたし」
私は思わず口を開く。私、7歳の渡辺さんに嫉妬でもしているのかな。
「陸君はどうなの?」
村上さんは、少し考え込んだ様子を見せた。
「分かんない、私のことが好きだなんて思ってもみなかったから」
困った笑顔を見せる村上さんに、私はまた思ってもみないことを言う。
「もし村上さんが陸君を好きなら応援するよ」
「いや、私はいいよ、私の好きは恋心じゃないからさ」
少し間を置いて、村上さんは声のトーンを上げた。
「もし応援してくれるって言うなら、有紀子を応援してくれないかな。
今、ほら、2年の子のことがあるじゃん? なんていうんだろ、私からも言いにくいことなんだけど……」
「あれでしょ? 傷心してコロコロっと」
「あはは、うん、そう、それ、コロコロっと」
村上さんは微弱ながらもいつもの笑顔を見せる。男の子の様な笑顔だ。私もつられて弱々しい笑顔を薄らと浮かべて言った。
「でも陸君はまだ村上さんのことが好きだよ」
「それだと、仲直りしにくいんだよね」
「でも、仲直りしないと渡辺さんとも距離あるままじゃないかな。せめて仲良し3人組は復活させて様子見たほうがいいよ」
村上さんはあぐらをかいて、「うーん」と唸って考え込んだ。「でもどうやって?」
「どうやってって……。
……そうだ、偶然を装って2人っきりにしちゃえば? 名付けて、『陸君と渡辺さんをくっつける作戦』」
「どうやるの?」
「私が陸君を誘い出して遊びに行くの。村上さんは渡辺さんを誘い出して、偶然を装って合流。隙をついて私達が抜ければ2人きりじゃない?」
「あ、それいいかも。それだけで2人がくっつくとは思わないけど、でも篠原さんが絡んでくれると、私も仲直りしやすいし」
そう言いながら、私の想いを思い出したのか、村上さんが続けた。
「でもいいの? 篠原さんだって陸君のこと好きなんでしょ?」
私は切なくなった。いいはずなんかないのに、なんてお人よしなんだろう。
「うん、私はいいよ。でも私、渡辺さんとより、村上さんとの方がお似合いだと思うけどな」
「あはははは、私に恋すると火傷するぜ」
「あはははは、村上さんて本当格好良いね」
友達のためにやせ我慢してる。村上さんは少しもそんなそぶりは見せないけど、でも目の奥にもの悲しさが見える。
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