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46.作戦コード
2.コード決定
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その日の放課後、テニスウェアを着た加奈子は、「やっぱり、『偶然ばったり、あれ? 2人は? いなくなっちゃったね、僕達だけになちゃったね作戦‼』がいいよう」と、校庭にある木の下で待っていた里美に開口一番そう言った。
「まだ言っているー、作戦名は『スイーツ作戦』! カフェで偶然会って、『あ、村上さん何してるの?』って落ち合うんだから」
「っていうか、有紀とくっつけようとしてる陸君とさったんがデートしてたらおかしくなーい?」
強烈なしまった感を顔に出した里美を見て、加奈子は大いに笑った。
慌てた里美が言う。
「しまった! 私そこまで考えてなかったよ」
「あはは、そこは私がどうにかフォローするから、作戦名は譲ってよ」
話をかき乱していたのはワザとだったのか? と里美はふと思った。加奈子の様子から、この問題を早くから察していたと考えた里美は、知らず知らずのうちに加奈子のペースに乗せられていたことに気が付いた。
(以外にやるわね、でもシャクだから譲ってやらないんだから)
そう思った里美は、A LOVER‛S CONCERTO(若しくは約してラブコン♡)にしようと提案しなおした。
「ヤダ!」
加奈子は駄々をこねる。今度は「『私、陸君が好きなの。今は友達のままでいいけど、いつか振り向かせてやるんだから作戦』が良い」と言い出した。
「村上さんが考える作戦名は長すぎるよ」里美が拒否る。
「じゃあ短いのにするっ! じゃあ、じゃあ、じゃあねぇ」
「もういいよ」
「じゃあ、最初のやつね」
「ダメ! スイーツ作戦」
「せっかく作った作戦名だったのにぃー」と食い下がる加奈子を無視して、里美はとりあえず陸のスケジュールを抑えることを提案した。
「まずは、今度の土日! できれば日曜日に陸君を誘おうと思うの。
それに合わせて、村上さんが渡辺さんの予定を抑えてほしいんだけど、どうかしら?」
「そうだね、有紀子のスケジュールは土日も私と遊ぶ予定だから、どっちでもいいよ。
それに合わせて、有紀子との予定を考えるよ」
後はどこで偶然を装うかだ。その話題に入った直後、加奈子は真顔を里美の顔に近づけて言った。
「里美さん、『タコ焼き作戦』はどう?」
「まだ言ってる! スイーツ作戦」
「国分寺駅の近くに大きなゲームセンターがあるんだよね。陸君ゲーム好きだから、どうかなって思ってさ。
そっちの方にたこ焼き屋さんがあるからテイクアウトで食べれば、カフェに誘い入れる手間も省けるよ。そのままゲームセンターに行くの。
みんなでゲームやれば、親睦を深められるでしょ? 2人きりにしても会話が続かなかったら効果薄れるし、太鼓ゲームとかで2人を組ませてれば、仲良くなるキッカケを何回も演出できるよ。プリントシール撮れば思い出もできるし」
確かにそうだ、と里美は思った。
「そうね、カフェに入って席が離れたら気が付かないかもしれないし、ばったり会って2人きりにされても何も話すことが無かったら気まずいもんね」
「まあ、それ以前にカフェで2人きりにするって神業だよ。トイレに行く以外ないもん。2人きりっていうより、待ってるだけでおーしまーい」
素っ頓狂な感じで言葉を間延びさせた加奈子は、ニッコリと里美を見つめて続ける。
「それに、坂本から陸君を取り戻すのは至難の業だと思うよ、あの子色気凄いから。
私、ムラムラしちゃうもの」
「変な表現しないでよ! 変態3号‼」
「あはははは、でもよかった。私、スイーツよりたこ焼きの方が断然好きなんだよね」
里美は訝しげにまじまじと加奈子を見て言う。
「ねえ、のらりくらりしてたのはワザとなの?」
「しーらなーい」、と笑って答える加奈子だった。
「まだ言っているー、作戦名は『スイーツ作戦』! カフェで偶然会って、『あ、村上さん何してるの?』って落ち合うんだから」
「っていうか、有紀とくっつけようとしてる陸君とさったんがデートしてたらおかしくなーい?」
強烈なしまった感を顔に出した里美を見て、加奈子は大いに笑った。
慌てた里美が言う。
「しまった! 私そこまで考えてなかったよ」
「あはは、そこは私がどうにかフォローするから、作戦名は譲ってよ」
話をかき乱していたのはワザとだったのか? と里美はふと思った。加奈子の様子から、この問題を早くから察していたと考えた里美は、知らず知らずのうちに加奈子のペースに乗せられていたことに気が付いた。
(以外にやるわね、でもシャクだから譲ってやらないんだから)
そう思った里美は、A LOVER‛S CONCERTO(若しくは約してラブコン♡)にしようと提案しなおした。
「ヤダ!」
加奈子は駄々をこねる。今度は「『私、陸君が好きなの。今は友達のままでいいけど、いつか振り向かせてやるんだから作戦』が良い」と言い出した。
「村上さんが考える作戦名は長すぎるよ」里美が拒否る。
「じゃあ短いのにするっ! じゃあ、じゃあ、じゃあねぇ」
「もういいよ」
「じゃあ、最初のやつね」
「ダメ! スイーツ作戦」
「せっかく作った作戦名だったのにぃー」と食い下がる加奈子を無視して、里美はとりあえず陸のスケジュールを抑えることを提案した。
「まずは、今度の土日! できれば日曜日に陸君を誘おうと思うの。
それに合わせて、村上さんが渡辺さんの予定を抑えてほしいんだけど、どうかしら?」
「そうだね、有紀子のスケジュールは土日も私と遊ぶ予定だから、どっちでもいいよ。
それに合わせて、有紀子との予定を考えるよ」
後はどこで偶然を装うかだ。その話題に入った直後、加奈子は真顔を里美の顔に近づけて言った。
「里美さん、『タコ焼き作戦』はどう?」
「まだ言ってる! スイーツ作戦」
「国分寺駅の近くに大きなゲームセンターがあるんだよね。陸君ゲーム好きだから、どうかなって思ってさ。
そっちの方にたこ焼き屋さんがあるからテイクアウトで食べれば、カフェに誘い入れる手間も省けるよ。そのままゲームセンターに行くの。
みんなでゲームやれば、親睦を深められるでしょ? 2人きりにしても会話が続かなかったら効果薄れるし、太鼓ゲームとかで2人を組ませてれば、仲良くなるキッカケを何回も演出できるよ。プリントシール撮れば思い出もできるし」
確かにそうだ、と里美は思った。
「そうね、カフェに入って席が離れたら気が付かないかもしれないし、ばったり会って2人きりにされても何も話すことが無かったら気まずいもんね」
「まあ、それ以前にカフェで2人きりにするって神業だよ。トイレに行く以外ないもん。2人きりっていうより、待ってるだけでおーしまーい」
素っ頓狂な感じで言葉を間延びさせた加奈子は、ニッコリと里美を見つめて続ける。
「それに、坂本から陸君を取り戻すのは至難の業だと思うよ、あの子色気凄いから。
私、ムラムラしちゃうもの」
「変な表現しないでよ! 変態3号‼」
「あはははは、でもよかった。私、スイーツよりたこ焼きの方が断然好きなんだよね」
里美は訝しげにまじまじと加奈子を見て言う。
「ねえ、のらりくらりしてたのはワザとなの?」
「しーらなーい」、と笑って答える加奈子だった。
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