FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の二学期

🍭

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「まあ、変な疑いを撥ね退けられたのなら、なによりだよね」と、務がやまない笑顔を見せた。
 春樹も想像が容易かったのか、咀嚼していたから揚げドッグを飲み込んでからにんまりと笑う。
「でも、南が戻ってきてよかったな。少しいじめがぶり返し始めてたからなんとかしないとって、つっちーと相談してたところだったから」
 身を乗り出した南が、「マジで? まだそんなことするやついたんだ」とクラス中の全員を遠望するようにねめつける。「手のひら返したやつらに、ちょっと言ってやらないと」
 後半の発言が粒立てられた瞬間、クラスメイトたちが縮こまって生唾を飲んだ。
「言っても聞かないやつとか反抗するやつがいたら鉄拳制裁――とまではいかないまでも……」
 南が剃刀みたいに鈍色にぎらつく瞳でガンをつけると、誰もが頭ごと視線を逸らす。
「やめとけって、そんな怖いこと」春樹が南の目つきを見て、少し嫌悪感をいだいたような表情で呟く。
 それに気がつかない彼女が、「じょうだんじょうだん」と、けらけら笑うのを真剣な眼差しで見ていた務が真顔を崩さず奈緒を見る。
「ふっ」と男前に微笑んだこの子が、びっしっと表情を決めて、「わたしをいじめると、ぱぴおんが黙っていないぜぇ」と、しどろもどろ言った。左手の親指で自分を指さしながら。
 すると、クラスのみんなが委縮して、脂汗めいた湿気がひたいを覆う。そうしてできた異空間に気がついたのか、務と春樹は、いつもあるものがなくなった時の違和感を覚えたように、なんとなくクラスの空気を見やる。
 奈緒は、満足げに大きな口を開けて、声を出さずに笑んでいた。だが突然、姿勢を正して、壁に掲示された時間割を見やる。
「“ほうだ”、次家庭科だ。先に準備して行っておこう。そしたら、歯磨きできる」そう言って席に戻り、歯ブラシセットをかばんから出してポケットに入れた。南がそれに続き、春樹が「んじゃ、教室に戻る」とあとについてゆく。そして教室を出ると、「トイレに行く」と言った。
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