FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

第一九話 スパイ疑惑

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 はたと思い出したような表情を一瞬見せた南が、隣の男子に顔で詰め寄って話題を変えた。
「たぶん、深谷あたりが手薬煉引いてると思うんだよねぇ」
 春樹がステージに両腕を寝かせ顎を乗せる。
「暖乃はいじめっ子体質だけど、真性じゃない気がする。やっぱ最初にかおりの席取られたのが尾を引いているんじゃないかな」
「なんで最初にあの席に決めるかな? 一番後ろに空いてる席あったんだからさ。とりあえずそこにして、あとで席替えする時、今の席にすればよかったのに」
 南のぼやきを聞いて、慧眼を光らせた奈緒は、「先生のせいだ」そう叫んでから縮こまり、「ちがう?」と二人を交互に見やる。
 春樹が言った。
「いや、そしたら先生可哀想だろ」
「そうか」奈緒が呟いた。
 南が会話をとめる。
「一概にそうとも言えないでしょ、席決めたの先生なんだから。わたし、あの三人が仲いいのは知ってたけど、ウィップスなんて知らなかったよ。教師なんだから、そこらへん把握して考えないと」
「把握はしてたんじゃない?」春樹が言う。「考えが及ばなかっただけで。職員室でダンス部作ろうって話が出た時に、あの三人呼ばれたみたいだし」
 南が呆れて叫んだ。
「余計だめじゃない。それより高木、あんたはなんで色々知っていて、なにもしないかな? 深谷と仲いいくせに……あっ、あんたスパイか」
「冗談よせよ」
 春樹が慌てて、言い訳がましく続ける。
「俺だって頑張ったんだぜ。どういう心理で奈緒につらく当たるのか知ろうと思ってさ。暖乃としては、最初に先生から席の相談をしてもらっていれば、こんな気持ちにならなかったって言うんだよ。悔しいって言うかショックだったって言うか、相当不愉快な思いしたらしいんだよ」






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