FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🍭

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 それを見た杏奈は、自信たっぷりな様子で微笑んだ。
「わたし、いろいろ手を尽くしたんだよ。あまり直接言うと逆恨みを買って余計ひどくなるから、遠回しに言ったり、クラス委員長とし言えそうな時は、成瀬さんを手伝ってもらって仲良くなるきっかけ作ったり。ナナたちはすぐに折れてくれなかったから大変だったけれど、今はだいぶ変わってきたでしょう?」
 南が口を挟む。
「変わってもまだひどいよ。いちいち言葉に棘があるもん」
「あの子たちにだって悪気があるわけじゃないわよ。本来はいい子だから。ナナは命令口調だから、言われているほうはショックが大きいけれど、よくよく聞いてみると、そんなにひどい内容じゃないのよね」
「言い方がひどすぎだよ」
 間髪入れずに言い返された杏奈が頷く。
「のーのは、結構面倒見がいいから、たぶん成瀬さんのことをかまってあげているんだと思う。でも我が強いから押し付けられてるって感じちゃうかも。成瀬さんは言葉がゆっくりだから、一方的に見えちゃううもんね。かおりは、特別なにもしていないんじゃない? 無口だから勘違いされがちだけど。あの子性格がドライだし、ツンとした感じだし、いたずらが多いから、成瀬さんのこといじめているように見えるけど、もしかしたら遊んでるつもりなのかも」
 南が不審に眉をひそめた。
「ほんと、廣飯は三人の肩持ちすぎだよ。あいつらのどこが、悪気はなくて、かまってあげてて、遊んでるだけって言うの? 思いっきりいじめの先導役じゃない」
「あら、率先してやっているわけじゃないでしょ。助長してはいるけど。成瀬さんへの接し方をうまく変えてあげれば、いい方向に変わると思うの。わたしは、クラス委員長として、誰かが味方で誰かが敵、みたいな分け方はしたくない。みんな平和で無事で楽しく過ごせる教室にしたいの。小沢さんみたくすぐに殴って解決させるような真似はしないのよ」
「誰がいつ殴ったのよ。わたし、あいつらのこと殴ったことないよ」
 剣呑な雰囲気に、奈緒が針でつつかれたような反応をして、南に顔を向ける。でも何も言わなかった。
 杏奈が続ける。
「わたし、本当に大変だったんだから。三人のプライド傷つけずに説得するの。他にだって、勢野さんを説得するには、好きな俳優だったらどうするだろうとか、彼の前ではどうしたらいいとかって遠回しに言って徐々に気がついてもらったり、藤山君には、サッカー部の先輩から言ってもらったほうがいいかなって考えたり。友達の友達から言ってもらうとか、髪切りに行った時に、スタイリストさんから言ってもらうとか、人に合わせて作戦変えてるのよ」
「そこまで?」春樹が驚く。
「何人か、行っているお店が一緒だからね」
 話を聞いていたみんなは、自慢げに笑みを零す杏奈の根回しのよさに感心するばかりだった。
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