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一年生の二学期
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南が訊いた。
「そういえば、部活なに入るの?」
「分かんない」奈緒が答える。
「中学の時はなにしてたの?」
「びじゅつぶだった」
「じゃあ入ればいいじゃん」
「でも、こうこう、こ う で、た い へ ん。 いろいろ 用意 したり、かた づけ たりすすす するのは、昔は楽しかったけれども 今は 大変に思う」
「やりたくねーの?」
春樹の問いに、奈緒はすぐさま首を横に振った。
「やりたい。“だぽろども”、学校ではいい。“こんくるる”とか。額装するといつまでたっても額装してるの、わたし。もうしたくない。真面目にしてる みんなに 迷惑かけたくな い し、わたし、もうしたく ないの」
「我慢するの?」
「ううん。“こんくるる”。全部自分でしなきゃいけないでしょう? 見せるとなると ちゃんとしたいし。でもちゃんとすると、ずっとずっとで――ずっとって変だけど、ずっと満足しないわよ。 一枚の絵を額に入れるのも 一苦労よ。
そ れ に、 期限が あるのも、あ~って 思っちゃう。いついつ までに やらなきゃいけないから“もり”。 わたしは時間に追われると、あらあらあら~ってなっちゃう」
奈緒は、筆を持つそぶりをして続ける。
「中学 生 の時に、わたしが、ああでもないと、こうでもないと、これじゃあだめよって 一枚の絵をこうこうして いたら、先生が言われたの。君は“た か ぞ ろ み” しすぎるって。目標がこんなだから、出来ないのにしようと する から、大変です、と。とりあえずその一枚描いて、次の次のと、少しずつ描いて く だ さ い、と。だからわたしは、たらららら~って適当に“描う”」
言い終わって笑った。そして、言葉の節々で首を左右に傾けてしゃべり続ける。
「でもやっぱり 額装が 苦手で やりたく ないの。ちょっとこうなったり、かみのけが入ったり すると、全部 やり直すから、あら~って思って、もうやんなっちゃうから、もうしない。 えへへ、分かった?」
南が言う。
「それだけ本気で好きだってことだよね」
「ううん。違うの。だってこういうのは 男の人が 得意だから、女のわたしには無理だわよ。だから、“こん…くろる”の準備は全部、黒沢に任せた」
「そういえば、部活なに入るの?」
「分かんない」奈緒が答える。
「中学の時はなにしてたの?」
「びじゅつぶだった」
「じゃあ入ればいいじゃん」
「でも、こうこう、こ う で、た い へ ん。 いろいろ 用意 したり、かた づけ たりすすす するのは、昔は楽しかったけれども 今は 大変に思う」
「やりたくねーの?」
春樹の問いに、奈緒はすぐさま首を横に振った。
「やりたい。“だぽろども”、学校ではいい。“こんくるる”とか。額装するといつまでたっても額装してるの、わたし。もうしたくない。真面目にしてる みんなに 迷惑かけたくな い し、わたし、もうしたく ないの」
「我慢するの?」
「ううん。“こんくるる”。全部自分でしなきゃいけないでしょう? 見せるとなると ちゃんとしたいし。でもちゃんとすると、ずっとずっとで――ずっとって変だけど、ずっと満足しないわよ。 一枚の絵を額に入れるのも 一苦労よ。
そ れ に、 期限が あるのも、あ~って 思っちゃう。いついつ までに やらなきゃいけないから“もり”。 わたしは時間に追われると、あらあらあら~ってなっちゃう」
奈緒は、筆を持つそぶりをして続ける。
「中学 生 の時に、わたしが、ああでもないと、こうでもないと、これじゃあだめよって 一枚の絵をこうこうして いたら、先生が言われたの。君は“た か ぞ ろ み” しすぎるって。目標がこんなだから、出来ないのにしようと する から、大変です、と。とりあえずその一枚描いて、次の次のと、少しずつ描いて く だ さ い、と。だからわたしは、たらららら~って適当に“描う”」
言い終わって笑った。そして、言葉の節々で首を左右に傾けてしゃべり続ける。
「でもやっぱり 額装が 苦手で やりたく ないの。ちょっとこうなったり、かみのけが入ったり すると、全部 やり直すから、あら~って思って、もうやんなっちゃうから、もうしない。 えへへ、分かった?」
南が言う。
「それだけ本気で好きだってことだよね」
「ううん。違うの。だってこういうのは 男の人が 得意だから、女のわたしには無理だわよ。だから、“こん…くろる”の準備は全部、黒沢に任せた」
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