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一年生の二学期
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「我慢 なんて してないよ。なんのことか 分からない。え~? なんですか、それ。 困ったこと 言われると、わたしは 困るから、やめてほしい。もう どういえばいいのか 分からないから、この話題 終わりね。えいっ。おし まいっ」
春樹が南に訊く。
「なんか思い当たる節でもあるの?」
「大あり。昨日なんてさ、体育終わって戻ってくると、下駄箱の周りを成瀬がうろうろしてるの。なにしてるの? って訊いたら、なんでもないって笑うんだけど、心配で見ていたら、なんと裸足。上履き穿いてなくってさ。一緒に探してあげたら、職員用トイレのごみ箱から出てきたんだよ」
「マジで?」春樹は少し考えて続ける。「そういえば、たまにスリッパで授業受けていることあったよな。確か上履き洗って乾いてないって聞いたけど、もしかして……」
「うん……」奈緒はしぶしぶ頷いた。
「ひどい」南が顔をしかめる。「戻ってきていない上履きもあるんじゃないの? 入学して二か月近いのに、未だ真新しいじゃん」
奈緒が慌てて訴える。
「違うの、もういいよね、わたしだめだから。どこに 置いたか すぐに忘れちゃう。この間なんて、シュークリームを 食べたあと、おやつにアイスクリーム食べたのに、まだ食べていないと思って、ずっと待ってた。我慢できなくて訊い たら、もう食べましたよって言われた。え~って思って、テーブルを見たら、ちゃんと食べたお皿があったので 帰り ました」
急に南が悩み込んだ。
「んんん? なにを食べたあと、なにを食べたって?」
「シュークリーム」
「で、その後なに食べたの?
「アイスクリーム」
「シュークリームはなんで食べたの?」
「おやつで」
「おやつのおやつにおやつ食べたの?」不振の眼差しを送る。
「いいじゃない、食べたって」奈緒は急に怒り出した。
「おやつのおやつにおやつ食べたんだよ」
南から助け舟を求められた春樹が口を開く。
「前半はそうだけど、後半はいいんじゃね?」
「なんで?」
「おやつにおやつ食べるのは普通だろ」
「そうよ」奈緒がヒット&アウェイでジャブをかます。
不可解な表情の南は混乱した表情で腕を組み、宙を見やった。
「そうか――て、おやつのおやつ食べてる時点でアウトでしょ」
「ばれたか」奈緒がすごい目力で吐き捨て、「でもいいでしょ」と開き直る。
南は呆れた様子で口をあんぐり開けて、この子を見やる。何も言う気が出ない感じの彼女に、奈緒はのどかに微笑みかけた。
🐿️成瀬菜緒🍭
作画:緒方宗谷
欄外
作者いわく、イメージ通りの生成ができなかったので、オリジナルでどうぞ、とのこと。
春樹が南に訊く。
「なんか思い当たる節でもあるの?」
「大あり。昨日なんてさ、体育終わって戻ってくると、下駄箱の周りを成瀬がうろうろしてるの。なにしてるの? って訊いたら、なんでもないって笑うんだけど、心配で見ていたら、なんと裸足。上履き穿いてなくってさ。一緒に探してあげたら、職員用トイレのごみ箱から出てきたんだよ」
「マジで?」春樹は少し考えて続ける。「そういえば、たまにスリッパで授業受けていることあったよな。確か上履き洗って乾いてないって聞いたけど、もしかして……」
「うん……」奈緒はしぶしぶ頷いた。
「ひどい」南が顔をしかめる。「戻ってきていない上履きもあるんじゃないの? 入学して二か月近いのに、未だ真新しいじゃん」
奈緒が慌てて訴える。
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急に南が悩み込んだ。
「んんん? なにを食べたあと、なにを食べたって?」
「シュークリーム」
「で、その後なに食べたの?
「アイスクリーム」
「シュークリームはなんで食べたの?」
「おやつで」
「おやつのおやつにおやつ食べたの?」不振の眼差しを送る。
「いいじゃない、食べたって」奈緒は急に怒り出した。
「おやつのおやつにおやつ食べたんだよ」
南から助け舟を求められた春樹が口を開く。
「前半はそうだけど、後半はいいんじゃね?」
「なんで?」
「おやつにおやつ食べるのは普通だろ」
「そうよ」奈緒がヒット&アウェイでジャブをかます。
不可解な表情の南は混乱した表情で腕を組み、宙を見やった。
「そうか――て、おやつのおやつ食べてる時点でアウトでしょ」
「ばれたか」奈緒がすごい目力で吐き捨て、「でもいいでしょ」と開き直る。
南は呆れた様子で口をあんぐり開けて、この子を見やる。何も言う気が出ない感じの彼女に、奈緒はのどかに微笑みかけた。
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