FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

第二十三話 豪邸

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 ほどなくして地図に指し示されたルートのしるしと同じ場所にたどり着いた南が顔を上げる。
「ここじゃない?」
 彼女の見上げた先を三人が見た。
「おっきい」奈緒が呟く。
「すごい豪邸じゃん。一軒家で三階建てって並みじゃないな。ちょっとした城っていうか、こんな小砦、ヨーロッパにありそう」
 春樹がぽかんと口を開けて言うと、南が続ける。
「本物のレンガ造りっぽいね。重々しすぎて、日本の家っぽくない」
「小 沢 さん、見て」菜緒は指をさして、「お庭が広い。あれが敷いてある。あ あ いうの」と関心を示す。
「ああ、芝生ね」
「いち、にい、さん、よん――“よっつかいつつ”。お庭だけで いえが建つかな?」
 そう言う奈緒に、春樹が言った。
「反対見て。車二台もある。どっちもドイツ車じゃん」
「へんなくろ」
「マットブラック。かっけーじゃん。あれがいいんだよ」
 務が虚空に双眸を泳がせた。
「傷だらけの四駆がいいって言ってなかった?」
 すると南が春樹を見る。
「男の子って変なの好きだよね。隣にある普通の黒いのでいいのに。そもそもなんでセダンタイプが二台もあるの? いらないでしょ、駅近いのにもったいない。せめてミニバンとか用途変えようよ。そういえばこの間、あんた、お父さんの昔の携帯出てきたって持ってきて騒いでたけど、汚くてごつくて邪魔。スマホの時代でよかったって思ったよ、わたし」
「ばか。あれがいいんだよ。縦にも横にも開くうえに、ブッシュ使用のキャノンみたいだろ? 連邦軍の」
「ロボット興味なし」
 二人のやり取りが終わるのを待って、タッセル風の十字架を中央にあしらった門扉を見つめながら奈緒が、もういいかな、といった様子で、瞳、顔の順で上げていく。
「おりが閉まってる。玄関まで入って いいの かな?」
「そこにチャイムあるじゃん」



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