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一年生の二学期
🐿️
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南が胸の前で腕を組み、首肯する。
「当分つらい思いがぶり返すかもしれないけど、我慢しちゃだめだよ。教室でもどこでも、わたしや杏奈が寄り添ってあげるから、すぐに廊下に出てここ来てもいいし」
「うん、そうする」
奈緒は何やら意味深ににやける。それを見て南が付け加えた。
「だからといって寝てちゃだめだよ。教科書とノート持ってきて勉強するんだよ」
「うへぇ」奈緒が渋柿を食べたてしまった時の顔をする。
「あと、クッキーやら紅茶やらを期待しちゃだめだからね」
「それは違うわよ。だって それが楽しみでここに来るのにやになっちゃうわ」
南はそれを聞き流して、みんなの瞳をなぞるように見渡した。
「ほんと、へどが出るよね。捕まえてとっちめてやりたいよ。痴漢撲滅運動しようか。女子高生みんな集めて、電車ジャックすんの。サラリーマン乗れなくしてやったら面白いよ」
「よせよ、急進的過ぎるだろ」春樹が眉をひそめた。
「いいのよ、ちょっとラジカっちゃってるほうがインパクトあるし」
南は笑ってそう言いながらみんなを見渡すが、誰も賛同しなかった。それでも続ける。
「もともと女子高生でいっぱいなんだから、すぐ出来るよ。ちょっと拡散させてやればいいんだって。内容が内容だけに容認されると思うよ。デモってことで。鉄道会社は困らないでしょ。満員御礼なんだから文句ないじゃん。それでも男どもからのクレームすごいだろうから、それが圧力になって、あわよくば女性専用車が増やされるかも。あとカメラ設置とか」
奈緒が、蜂のようにチクリと突き刺す。
「南ちゃんは頼りになる けど、出しゃばるとこじれる」
そこにはみんな賛同を示して笑う。
春樹が感嘆して、いがぐりを見やる。
「なんだかんだで、南も策士だよな。ただ、調整役って言うより征服役って意味でさ」
「でもやってみる価値あるんじゃない? 実際やるかどうかは別にして面白そうだよ」
奈緒が、話の流れに堰を築いて言った。
「やめて、“きんぽらぶどお”が だいなしよっ」
「なにそれ」南があっけにとられる。
「前に言ったでしょ。美味しそうだって」
「なんの話だっけ?」
「駅の棒がこおってこおってこおってなって、こおなの」
「意味わかんね」
春樹が言うと、南が驚くように声を上げた。
「あ、もしかして芋けんぴのこと?」
「そうよ、やっと分かったの? それでわたしなんてった?」
「きんぽらなんとか」
「そうだった。“きんぽらぼどお”。“き ん ぽ ら ぼ ど お”。分かった?」
「分かんないよ。きんぽらぼどおってなによ」
「きんぴらごぼうじゃない?」杏奈が口を挟む。
「そう」
「当分つらい思いがぶり返すかもしれないけど、我慢しちゃだめだよ。教室でもどこでも、わたしや杏奈が寄り添ってあげるから、すぐに廊下に出てここ来てもいいし」
「うん、そうする」
奈緒は何やら意味深ににやける。それを見て南が付け加えた。
「だからといって寝てちゃだめだよ。教科書とノート持ってきて勉強するんだよ」
「うへぇ」奈緒が渋柿を食べたてしまった時の顔をする。
「あと、クッキーやら紅茶やらを期待しちゃだめだからね」
「それは違うわよ。だって それが楽しみでここに来るのにやになっちゃうわ」
南はそれを聞き流して、みんなの瞳をなぞるように見渡した。
「ほんと、へどが出るよね。捕まえてとっちめてやりたいよ。痴漢撲滅運動しようか。女子高生みんな集めて、電車ジャックすんの。サラリーマン乗れなくしてやったら面白いよ」
「よせよ、急進的過ぎるだろ」春樹が眉をひそめた。
「いいのよ、ちょっとラジカっちゃってるほうがインパクトあるし」
南は笑ってそう言いながらみんなを見渡すが、誰も賛同しなかった。それでも続ける。
「もともと女子高生でいっぱいなんだから、すぐ出来るよ。ちょっと拡散させてやればいいんだって。内容が内容だけに容認されると思うよ。デモってことで。鉄道会社は困らないでしょ。満員御礼なんだから文句ないじゃん。それでも男どもからのクレームすごいだろうから、それが圧力になって、あわよくば女性専用車が増やされるかも。あとカメラ設置とか」
奈緒が、蜂のようにチクリと突き刺す。
「南ちゃんは頼りになる けど、出しゃばるとこじれる」
そこにはみんな賛同を示して笑う。
春樹が感嘆して、いがぐりを見やる。
「なんだかんだで、南も策士だよな。ただ、調整役って言うより征服役って意味でさ」
「でもやってみる価値あるんじゃない? 実際やるかどうかは別にして面白そうだよ」
奈緒が、話の流れに堰を築いて言った。
「やめて、“きんぽらぶどお”が だいなしよっ」
「なにそれ」南があっけにとられる。
「前に言ったでしょ。美味しそうだって」
「なんの話だっけ?」
「駅の棒がこおってこおってこおってなって、こおなの」
「意味わかんね」
春樹が言うと、南が驚くように声を上げた。
「あ、もしかして芋けんぴのこと?」
「そうよ、やっと分かったの? それでわたしなんてった?」
「きんぽらなんとか」
「そうだった。“きんぽらぼどお”。“き ん ぽ ら ぼ ど お”。分かった?」
「分かんないよ。きんぽらぼどおってなによ」
「きんぴらごぼうじゃない?」杏奈が口を挟む。
「そう」
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