FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🖼️

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「だめー」
 奈緒が突然叫んだので、みんなが注目した。
「南…ちゃんは 音痴で 踊れ ない か ら、だ‐め」
「そうなの?」暖乃が訊く。
「うん」
 確信を持った様子で答える奈緒に、南が苦言を呈す。
「なんで分かんの、そんなこと。聴いたことある? わたしの歌」
「ないけど、こうやって、ぷー。るるるーってやってる三人より 下手だと思う」
「あはははは」暖乃が笑って、「なに言ってるか分かんない」と続けたが、奈緒が微笑みを送ると、瞬時に無表情になってそっぽを向く。
 この子はぴょこぴょこと魚子のもとに歩み寄ったのち、スカートのポケットから出した汚い字の席順表を見ながら「さ か な こ さ ん」と言って、笑顔で眼前の女子を見る。その瞬間、魚子[ななこ]の右手がグーで飛んできた。鈍い振動がおでこから脳内に伝わったのが見て取れるほどよろめいて左手をくるくる回すが、それでもバランスを取りきれなくて、お姫様だるまのおきあがりこぼしが起き上がれなかったみたいに、半身不随の身がころんと転げた。
「ひどい!」南が叫ぶ。
「あたしにはひどくないの?」魚子が返す。
「口で言えばいいでしょ。なにも殴らなくても」
「だい じょーぶ だよ」奈緒が言った。
 おでこをさすってから、「うんしょ、うんしょ」と立ち上がる。赤ちゃんみたいに。
 魚子が声で頭をはたく。
「遅い。アヒルみたいによたよたしないで。早く来て。そんで机と椅子、さっさとかたして」
「はっ、はい」
「そんなに言わなくてもいいでしょ」南が庇って、魚子をたしなめた。
「いやいやなの、あたし」悪ぶれず答える。
「あ?」南が睨む。
 魚子の言葉が詰まって、視線をそらした。
 だが直後、急に彼女の威圧感が増す。背後でパイプ椅子に座っていたかおりが立ち上がり、雷光のような眼光を発して南を睨みつけていたからだ。ここにいるみんなの中で一番小さいのに強烈な個性を放っている。まるでバタフライナイフだ。
 かおりは、先月体育倉庫の陰で繰り広げられたガンのくれあいに後れをとったリベンジとばかりに、南を睨みつけたままゆらりと身を向けて、ゆっくりと歩を進める。そのまま駆け出して殴りかかろうか、という気迫が感じられた。


📻️鳥羽魚子👟

欄外
作者いわく、これ以上変換するとブレイズがなくなるので、これが限度でした。とのこと。
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