FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🌻

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「違う!」奈緒がムキになって叫んだ。「なんでそんなこと言うのよ、頑張ってやっていたらくるくる回れるようになれると思ったのに、あーあ、そんなことになっちゃった。あーあー、がっかりだわよ。わたしやりたかったのに、ナナちゃんみたいに逆立ちしたり、ノンちゃんみたくグッてしたり、かおりちゃんみたく、じぇいむすぶらうんしたかったのに、本当にショックで息が止まりそうなんだから、んー、んー。もう、むきーってやって、こうしてやる!」
 言い終えるや否や、熊みたいに襲い掛かって、五本の爪で薄い小麦色の肌をむしろうとする。
 その手のひらをはたき落としながら、魚子が叫ぶ。
「なんだよ、いきなり。やめて、なによ、そんなふうに思ってたの? あんた」
 意外にも力負けして押し倒されそうだ。
 たたみかけるように奈緒が叫喚した。
「そうよ! わたしはっ こういうふうに やって い た か ら こうなのっ。こんなわたしだけれど、これがわたしの個性 なんですから、それが分からないなんて、どこ見てるんですかねぇー。この 個性を 評価できないなんてバカ“ばったり”‼」
 パンチを出したり手刀を切ったりして不器用に腕を振り回しながら地団駄を踏んで、更に続ける。
「どうして 分からない の? そうやって こうだから こうなんだ からっ。ぷんだっ っっ」
 暖乃とかおりは、あっけにとられてみているばかり。
「そうだよ、その意気」南が口角を引いて白い歯を見せる。
 止めようともしないで見ていた彼女がそうけしかけて、真夏のひまわりのように笑った。
 その瞬間、奈緒は強襲をやめて華光を見る。視界いっぱいの笑顔は正に、舌状花弁をいっぱいに広げた冠状花が光を放っているような満面の笑みだった。彼女が湛えたその笑顔は、奈緒にとてつもなく大きな勇気を与えたようだった。
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