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一年生の二学期
🐿️
しおりを挟む魚子と暖乃は、それを見やったのち、視線を須臾合わせる。
呆れた様子で言葉をとめていた南が、奈緒の頭をなでて再び話し始めた。
「ねえ奈緒。奈緒はやりたくないの? やめるって自分の意思で、本心からそう言ったの?」
奈緒が弱々しく首を横に振る。
「じゃあ、続けなよ。わたしは無条件で奈緒を応援するから」
この子が顔を上げると南は、自らを太陽だと言わんばかりのひまわりのように笑っていた。その黄色い光に照らされて表情を浮かび上がらせると、おずおずとしながらもしっかりと姿勢を正す。
「わたしは 身体障がい者で ごめん なさい。
わたし は 十 五歳の 時に くも膜下 出血 と 脳 梗 塞で 倒れ ま し た。
十五時間 手術を して、十日 間 昏睡 し ま し た。
目が覚めて、リ ハ ビ リ を し ま し た。
はじめは 一歩 しか 歩け なくて、倒れ ま し た。
先生が 受け止め ました。
それで、先生に 言われました。
あ な た は へ ん しょ く な の で、病気 に なりましたと。だ か ら わ た し は、魚と野菜が 嫌いです」
敢為して満足したのか、我に返った奈緒は、気色を窺うようにみんなを見渡す。
「なにが言いたいの?」南は腕を組んで首を傾げる。
「だからわたしは、だんだん 歩き ました。それからと い う も の、学校 に 来れ ました。そうして今、“バウバウ”しているから、踊ります」
「芸人になる気だ」南が言うと、
奈緒が「違う」と蚊をあしらうように速攻否定。
暖乃が意訳を試みる。
「つまりはあれだね、はじめは一歩しか歩けなかったけれど、今は一人で学校まで歩いてこられる。だからいつか踊りだってできる」
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