FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🍭

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 南は、奈緒に反応する間もなく「あっ」と叫んだ。「背中向けてたから気がつかなかったけど、相沢が一番ひどいじゃん。冬の空の下でなんて格好?」
 厚手で赤地に黒い縦ラインのヘリンボーンストライプが走るワイシャツをはためかせながらくるくるステップを踏んで回るかおりに向かって行って、続ける。
「唯一交流会に耐えうるまともな格好に見えたけど、相変わらず胸元はだけてんじゃん。そこそこあるんだから目立つよ。子供の目には有毒すぎ」
 カップが無いのに胸のシルエットがはっきりとわかるほど肌に密着したインナーは、背中が大きく露出した、青白磁、水色、青のタンクトップ。それを露わにして、腰を下ろしながらリズムよく左右に振ってかかとを踏み鳴らしたかおりは、伸びてきた南の手を払いのけてスキップしながら後退すると、威嚇するように殴るジェスチャーをしてアップロックを前後に踏んでから立ち上がり、一度ブロンクスステップをすると同時に、黒い風の刃のようなロゴの入った白のスニーカーで砂利を蹴飛ばす。
 脛に砂利を受けながらも深追いせずに振り返った南が言った。
「ストリートファッションっていったら金のイメージだけど、金とかつけないの?」
「金は成功者の証だから、今はつけない。そういう決まりにしてる」魚子が答える。
「チャラチャラしてるわりにストイックだね」
 そして奈緒に向き直って、ポケットに手を突っ込む。
「これ差し入れ。ちょこっとチョコ」
 間髪入れずに暖乃が食いつく。
「わたしたちにはないの? それこそいじめじゃん。小沢って、わたしらのこと差別しすぎ」
「違うでしょ、区別だよ。三人はいつもお菓子いっぱい持ってるんだからいらないじゃん。成瀬は障がいがあるのに舞台に立つんだから、発奮させないと。それでもほしいって言うなら、一応買ってきてるからあげるよ」
 南はそう言って、暖乃に一つ投げた。
「いらない」
 そう返して、飛んできたきなこ餅味をよける。両手で端をつまんでおしり側に広げて持っていたゴシック柄のスポーツタオルを肩にかけると背中を向ける。
「ひどいことしないでよ」
 そう言って拾う南に、奈緒が「それちょうだい、“ちろちょろる”」と言うと、彼女は持っていた三つのお土産を全部渡してくれた。
「十時スタートで、奈緒たちが一番目だからがんばってね。ここ寒いからどこか中で温まっているといいよ」
 そう言った南はウィップスに断りを入れてから、奈緒を連れて体育館に入って行った。





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