FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🍝

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 そう問われて杏奈は、スプーンとフォークを使ってうまくパスタを口に運ぶと、一口食べて思わず言った。
「美味しい。トマトの風味が溶けた優しいコンソメ味で、ゆで加減がいい。わたし、アルデンテより、このくらいのゆで過ぎにならない程度のペンコッティが好き。気持ちこしょうがきいていて、少し辛みがある」
「なに入ってるんだろ?」
 奈緒が、太陽のようなお皿に半球状に盛られたパスタをのぞき込む。
 目の前には、イカ、あさり、エビが絡んだパスタに唐辛子のかけらが少し入っていて、その上に細切りの玉ねぎ、小さく角切りにしたトマトとカイワレがのっている。
 杏奈が答えた。
「イカとあさりとエビと唐辛子。上にのっているのは……カイワレとトマトと玉ねぎね」
「そのまんまだね」奈緒ぽつり。
「まあね、だって名前が魚介とトマトのスープパスタだもん」
「そうか」
 パスタを数口食べた杏奈が見て気がついて、みんなにフォークを見せてた。
「見て、これ。フォークに笑顔が描いてあるよ」
「本当だ」みんなはそう言って、表情が華やぐ。
 春樹がサラダの小皿を手に取って、もしゃもしゃ食べ始めた。
 セットのサラダは、八分咲きの四角い花のような形の小さな白い深皿に盛られていて、キャベツと紫キャベツ、そして人参のみじん切りに、輪切りのキュウリとリーフが乗って、白いドレッシングがかかっている。
「どんな味?」奈緒が訊く。
「なんでも味訊くなって。野菜の味しかしないよ。あとフレンチドレッシング」
「あら、底にコーンが入っているのね」
 杏奈が言うと、奈緒は「じゃあ、サラダあげる」と自分のを差し出すと、
「だーめ、自分でちゃんと食べなさい」南がぴりゃりと言った。
 奈緒は聞き流して、戻ってきたサラダを見て観ぬふりで知らんぷり。何事も無かったかのように、オムライスをぱくぱく食べる。そして、見る見る間に顔を出す黒皿の深い部分を見てきょとんとした。
「中は年輪がないよ。食べ終わったら、黒い太陽だ。なんか、ちょっと大人びたお料理を食べていたみ たい。違う? 白のと違っておしゃれかな?」
 あたかも黒曜石で作った原始の太陽のように鈍く輝く丸皿を見ながら、食べ終わった感想をそう表現した。
「……」みんなが、笑顔の奈緒を見やる。
 南が言った。 
「そんなふうにやり過ごそうとしてもだめだよ。ちゃんとサラダ食べないと」
「うへぇ~」
 結局最後、「自分のサラダを食べないとデザートないよ」と言われて、奈緒はしぶしぶ全部を平らげた。


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