FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

🍰

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 断面を上に向けて置かれた、ブルーベリーほどの大きさがある半球状の果実のそばに二つ刺さったヨットの三角セイルのような飾りを、杏奈がつつく。
「この金色のは飾りみたいだけど、もう一つはチョコみたいね。あ、凝ってる。見て、楽譜が描いてあるわ」
 フォークでチョコを倒してみんなに教える。そして、そのチョコを食べたあと、のっていた果実を口に含んで「あらっ」と声を発した。
「これ、サクランボじゃなくて、ラズベリーね。ということは、中のつぶつぶは種? フランボウってもしかして、フランボワーズのことかしら」
「おいしそうでいいなぁ。小さくて大人びた姿をしてる」
「今度頼んでみたら?」と、務が奈緒に提案した。
「ううん。遠慮します。小さいから」
 みんながこらえるように、「くふっ」と笑った。
 この子の視線に気がついたのか、務が自然に話し始める。
「僕のは、ザクザク食感のとても甘い生地だよ。乗っているのは洋ナシかな」
 切り分けた時に落ちた洋ナシをパータシュクレに乗せて口に運ぶ。
「洋ナシがひんやりとしていて、甘みを緩和してくれてちょうどいい味になるけど、でも僕には甘すぎるかな」
 しっとりと艶やかなナパージュを身に纏う洋ナシを見つめながら、奈緒は唾を飲み込む。
 アレキサンダーをパクパクと食べながら、唐突に春樹が言った。
「なんかこれ、ダブリンペッパー[ジュースの名前]みたいな味がする」
「あ、やっぱり? わたしも昨日それ食べて思ったんだよね。その実なにかな?」南が問う。
「分かんないけど、サクランボじゃね?」
 杏奈が笑いながら言った。
「でも、なんでダブリンペッパーで表現するの? エレガントな見た目なのに、急に庶民化しちゃうじゃない」
「でも、これしか表現ねーし、なにで味付けしたらこんなんなるかも分かんねーもん。なぁ」
 春樹が南に同意を求める。
「わたしら庶民には、愛するダブリンペッパーだけがあればいいんだと思う」
 頷きながら聞いていた春樹が、コーラを飲み終わって言った。
「半分は砂利みたいな氷だけど、なんか工夫したら面白んじゃね? 丸い氷とか、模様が入ったやつとか。下のほうが紫色に染まっているだけでも目を引くけど」
 みんなが不思議にそうに見つめる。
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