FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の二学期

第六十一話 絶滅危惧種

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 翌日の月曜日、南と下校した奈緒は中延駅で降りて、アーケードのある長い商店街の、なかのぶスキップロードを散策しつつ、荏原中延駅側に抜けた。
 その間に繰り広げられたこの子の行動を精査して、南が苦言を呈する。
「それにしても、かりんとうに人形焼き買うことないじゃん。一昨日羽鳥たちから散々お菓子もらってたでしょ。そこでもかりんとう食べてたし、わたしからのちょこっとチョコも食べたし、昨日は昨日でショートケーキ食べて、シュークリームまで食べてたじゃない。しかもちゃっかり自分のクッキーまで買ってたでしょ。わたしらと別れたあと、すぐに食べちゃったんじゃないの?」
「いいの。べつばらだから、それに、これは魚の形だから大丈夫」
「変わんないよ」南が、弧を描いて反る鮎の人形焼きを見やって、眉頭を微かに寄せた。
 奈緒は、躊躇なく頭をかじって咀嚼開始。
「これから少し歩くから、エネルギー補給。踊った疲れがどっと出たから、食べなきゃいけないの」
「じゃあ、なにも今日、センターの友達のところに行って報告しなくてもいいじゃん」
「友達じゃないよ、六十超えてるから。それにお土産渡す」
「食べちゃったじゃん。
「小分けだから、大丈夫」
「それ口実にして、食べたかっただけじゃん」
「違うからいいの」
 二人が昭和通り商店街から住宅街に入って、西中延公園の手前を仲通り方面に向けて楽しくおしゃべりをしながら歩いていた時、公園の出入り口付近に差し掛かったところで、ぎょっと目を見開いた奈緒が絶句して、一瞬強張った。
 この子の視線の先には、微笑みかけてくる南の頭の他、その向こうに、二人の女が映っている。おもむろに俯いた片目しか見えないこの少女は、話しかけてくる南の声も聞こえない様子でそわそわしだした。視界に入れたくないのか、体ごと顔を左にそむける。
 気がつかない様子の南に、奈緒が小声で注意を促す。
((南ちゃん、静かに。黙って。急ごう))
「は? なんで?」南は普通の声で答える。
 いくら言っても南は気がつかない。ああでもない、こうでもない、とかみ合わない二人に、ラウンドフォルムのスクーターにまたがる女と立ち話していた一人が気づいて、顔を上げる。そしてすぐに、ふたえで笹の葉のように鋭い目尻を丸くして声を上げた。
「南? うそマジ、南じゃん」
 あからさまにはしゃいで、肩から手首に向かって太くなっていく袖の黒いパーカーがぱたぱた音を立てるほど、激しく両手を振るった。




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