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一年生の二学期
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しおりを挟む「えらい」南が大きな声でほめた。
「そうかしら。お金になりそうなのは、あげずに売っちゃったから、そんな こと ないかも。ちがう? わたしはもらっているのにいいのかしらって」
「そんなことないって。大切なものを手放すんだから、いい値がつくならそれに越したことないんじゃない? 将来に備えて貯金しておくといいよ」
「うん。いいお小遣いになった。千円超えたのもあった。ブーツとか。食べた」
「食べた? ブーツを」
「ブーツを……ちがう。なにを? お菓子を」
「だめだよ、無駄遣いは」
「いいの。青春の味だから」
「あはは」と奈緒が笑って段ボールから洋服を出していると、南がセンターに来る誰かにあげる予定の服から、ケーブル柄でアラン編みのニットワンピースを手に取った。
「そういえば、だいぶ印象ちがうね。今はパンツスタイルですっきりとしたカジュアルコーデなのに、前はけっこうルーズな服装だったんだね。パーカーとか、腰隠れるくらい長いし」
「うん。だから、センターでもあげられない。そもそもわたしが着ないからあげるのだから、誰も いらない。だって片手だから着るのが大変で いらなくなったと いうことは、手が動かないと 同じように思う人が 多いと お も う し、あげようとして いらないと言 わ れ た ことがある。知的障害の人は違うと思うけど、知り 合い に いないから。今も着られる け れ ど、もう着ないのを あげるの」
「ふーん。よく穿いてるチェックのボトムスパンツとかはあげないの?」
「あれは貰い物。チェックのはセンターでもらって、お食事会で穿いてたのは、お母さんにいただいたの」
「それでなんだね、普段着の不思議なセンスって。女の子女の子してなくて」
「変かな?」
「そんなことないよ。かわいくもありつつ落ち着いた装いで」
南が、扉の開いたままのクローゼットに視線を向けると、ほとんど洋服はかかっていない。奈緒のほうに向きなおって続ける。
「もし手放したくないなら、取っておいたらどう? 一緒に遊ぶときに着るの手伝ってあげるよ」
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