207 / 838
一年生の三学期
第六十六話 祭りのあと
しおりを挟む
一月九日の月曜日、奈緒は学校に来るなり、少し遅めの新年のあいさつをみんなと交わした。だが、昨年打ち解けたはずのクラスメイトが帯びていたたこ焼きフィーバーはすでに冷めていて、奈緒に対してそっけなかった。それに加えて、午前中に行われた始業式が終わって教室に戻ると、新年最初の共同作業、席替えが始まったので、後ろの席にいた魚子や暖乃とも離れて、会話の無い関係に逆戻りとなった。
「成瀬さん、これからよろしくね」後ろの席に来た杏奈が言った。
「よろしく お願い し ま す。わ た し は 引き続き、この席でした。杏奈ちゃんは、あみだくじじゃなくて、そばに来てくれて よかった」
「うん。委員長としての職務もあるし、なにかと便利でしょ」
杏奈が席替え前に提案した奈緒のそばに座ると言う申し出が通ったおかげで、この子は孤立しないで済んだ。
お昼を迎えると、すぐに奈緒が後ろを振り返って杏奈に言った。
「一緒にご飯食べてください。おねがいします」
「うん、いいよ。でもさすがに一月は寒いから、屋上はやめようね。どうしようっか。書道教室はもう使えないし」
二人が悩んでいるところに、お弁当と椅子を持ってきた務が助言した。
「ここでいいと思うよ。二人の席合わせれば、飲み物置くくらいはできるだろうし」
そこに、杏奈の後ろの席にいた花が、机を使っていいと申し出てくれた。
「わたし、華道部の部室でいつも食べてるから。これからいつもどうぞ」
そう言うと、迎えに来た別のクラスの華道部部員とともに、教室をあとにした。
その背中にお礼を言った南が、花の椅子を借りて座る。
「渡りに船だね。三席あればじゅうぶん余裕あるよ」
そして気がついて、この子が手にしたキルトの袋をのぞき込む。
「あれ、奈緒のお弁当、サンドイッチじゃないんだ」
「うん。サンドイッチ飽きた」
「だろうね、毎日散々食べ続けたもん。コンビニ変えたって、結局あんまり変わんないから。そばのパン屋さんは、登校時間に開店してないし、ここいら辺に変わり種出すサンドイッチカフェとかもないしね」
「あーあ、杏奈ちゃんちのパン屋さんのそばに学校があればよかったのに」奈緒が嘆く。
「それじゃあ、菓子パンばかりになっちゃうでしょ。どうせ総菜パンは選ばないんだろうし」
「成瀬さん、これからよろしくね」後ろの席に来た杏奈が言った。
「よろしく お願い し ま す。わ た し は 引き続き、この席でした。杏奈ちゃんは、あみだくじじゃなくて、そばに来てくれて よかった」
「うん。委員長としての職務もあるし、なにかと便利でしょ」
杏奈が席替え前に提案した奈緒のそばに座ると言う申し出が通ったおかげで、この子は孤立しないで済んだ。
お昼を迎えると、すぐに奈緒が後ろを振り返って杏奈に言った。
「一緒にご飯食べてください。おねがいします」
「うん、いいよ。でもさすがに一月は寒いから、屋上はやめようね。どうしようっか。書道教室はもう使えないし」
二人が悩んでいるところに、お弁当と椅子を持ってきた務が助言した。
「ここでいいと思うよ。二人の席合わせれば、飲み物置くくらいはできるだろうし」
そこに、杏奈の後ろの席にいた花が、机を使っていいと申し出てくれた。
「わたし、華道部の部室でいつも食べてるから。これからいつもどうぞ」
そう言うと、迎えに来た別のクラスの華道部部員とともに、教室をあとにした。
その背中にお礼を言った南が、花の椅子を借りて座る。
「渡りに船だね。三席あればじゅうぶん余裕あるよ」
そして気がついて、この子が手にしたキルトの袋をのぞき込む。
「あれ、奈緒のお弁当、サンドイッチじゃないんだ」
「うん。サンドイッチ飽きた」
「だろうね、毎日散々食べ続けたもん。コンビニ変えたって、結局あんまり変わんないから。そばのパン屋さんは、登校時間に開店してないし、ここいら辺に変わり種出すサンドイッチカフェとかもないしね」
「あーあ、杏奈ちゃんちのパン屋さんのそばに学校があればよかったのに」奈緒が嘆く。
「それじゃあ、菓子パンばかりになっちゃうでしょ。どうせ総菜パンは選ばないんだろうし」
0
あなたにおすすめの小説
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う
もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。
将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。
サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。
そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。
サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
【完結】メインヒロインとの恋愛フラグを全部ブチ壊した俺、サブヒロインと付き合うことにする
エース皇命
青春
《将来ヤンデレになるメインヒロインより、サブヒロインの方が良くね?》
16歳で自分が前世にハマっていた学園ドラマの主人公の人生を送っていることに気付いた風野白狼。しかしそこで、今ちょうどいい感じのメインヒロインが付き合ったらヤンデレであることを思い出す。
告白されて付き合うのは2か月後。
それまでに起こる体育祭イベント、文化祭イベントでの恋愛フラグを全てぶち壊し、3人の脈ありサブヒロインと付き合うために攻略を始めていく。
3人のサブヒロインもまた曲者揃い。
猫系ふわふわガールの火波 猫音子に、ツンデレ義姉の風野 犬織、アニオタボーイッシュガールの空賀 栗涼。
この3人の中から、最終的に誰を選び、付き合うことになるのか。てかそもそも彼女たちを落とせるのか!?
もちろん、メインヒロインも黙ってはいない!
5人の癖強キャラたちが爆走する、イレギュラーなラブコメ、ここに誕生!
※カクヨム、小説家になろうでも連載中!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる