FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の三学期

❄️

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 奈緒が声のする右のほうを向くと、そこには同じ学校のブレザーを着た女子がいた。耳が隠れるくらいのボブで黒髪に色白。ひとえでつぶらな瞳は黒目がち。線が細くておとなしい、まるですずらんのように可愛い子だ。
「えっと」奈緒が考える。
「わたし、小山内。小山内心愛、B組の」人見知りするような態度で弱々しい声を発する。まるで、虫の音のようだ。
「こ こ あちゃん、こん にちは。はじめ まして」
「うふふ、初めてじゃないけどね」
「ああ~、もうだめだぁ」
 奈緒がへたれるのを見て、南が「まあ、なんとかなるよ」と励まし、続けて言った。
「そういえば、なんでわたしたち制服? 休みなのに学校に来るっていうと、なぜか制服着ちゃう」
「確かにそうだよね」と三人は笑う。
 奈緒が自慢げに心愛に言った。
「わたしたちの ひ だ ま り 高 校が 赤で、きょく きょく、 、 、じ つ 学園が 青のユニフォーム」
「うん、知ってる」心愛が笑う。
「みんな知ってる」と南が言うと、奈緒は「なんで?」と訊いた。
「だって応援してるんだから」
「へー、そう」この子は正面を向いて不満そうに答える。
 南と心愛は、この子の頭越しに顔を見合わせて苦笑いをした。
 間もなく、東京都高校バスケ新人戦大会の五位から八位決定戦後半戦が始まる。きゃぴきゃぴはしゃぐ奈緒を見やって、南が疑問を呈する。
「さっきから思ってたんだけど、奈緒、ルール分かるの?」
「わかんない。南ちゃんは?」
「分かるよ、歩いちゃいけないの。あと、リングに玉入れんの」
「玉って……」心愛が呆れる。
「いなかもの」奈緒が笑う。
 いがぐりの先がムスッとしたのが、鼻息で分かった。
 そんなこんなで試合が始まる。
 開始から早々、ひだまり高校の選手は、マンツーマンでがっちりとガードされ続けた。旭日学園は個人プレイが得意で、ひだまり選手が石のように固めたガードの合間を速やかに縫い進む。


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