FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の三学期

🎀

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 務と春樹は足がすくんでいるのか、どちらもついていかない。小声だったので何も聞こえないが、理沙たちが話している間、四人は耳を澄ませて監視するように眺めながら待った。
 戻ってきた萌音が、頭を傾けて顎を上げた上から目線でみんなに言う。
「わたしたち無実だよ。今日は二人でたまプラーザに行ってたし。それに原チャリをパクった危ない場所にいつまでもいないって。そもそも自分らの持ってるのに、なんでパクんの」
「なんで原チャリって分かんだよ。バイクとしか言ってないのによ」春樹がすごむ。
 たじろぐ様子もなく、炯眼で答える。
「わたしら単車乗んないもん。バイクって言ったら原チャリだけだから」
 堂々たる顔色で語っていたが、ふと奈緒がスクーターのハンドルを見やると、様相が転じた。
「前と違うバイクだ」この子が呟く。
 萌音は、テストで間違えた個所を他の生徒に見られまいとする生徒みたく、鍵穴を隠すように足をインナーレッグシールドに伸ばした。だが、少し動揺した雰囲気を醸しつつも、姿勢を変えただけだと言いたげにすぐに下ろす。そこには、カナダの国旗をプリントした透明のキーホルダーと怪獣のキーチェーンがついていた。
「とりあえず、警察署に来てもらおうぜ」春樹がスマホを取り出して続ける。「あと逃げても大丈夫なように、写真撮っておこう。こいつらですって言えんだろ。そしたら全国指名手配だ」
 ほかの三人が、明るくなったスマホの画面に意識を奪われた瞬間だった。
「ほら出せ」理沙がスクーターの後ろにまたがって小さく叫ぶ。と同時に、春樹の持っていたスマホを下からたたき上げて落とす。
 その瞬間、萌音がハンドルを回してエンジンをふかすと、ブレーキを放してすぐさま発進した。
「「ああっ」」四人が悲鳴を上げる。
 すかさず男子二人が手を伸ばすがあとの祭り。握った指は空を掴むばかりで下に落ちる。崩したバランスを立て直して追いかけるが全く追いつけず、二人はすぐに諦めて速度を緩めて立ち止まった。
「ばいばーい」理沙の勝ち誇ったような嬌声が響き渡る。
 四人は、振り向いて大きく左手を振る姿を見送るしかなかった。




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