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一年生の三学期
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杏奈が交互に二人を見やる。
「成瀬さんも務君も立ち振る舞いには少し気を付けたほうがいいかも。前に高木君も言っていたけど、些細な噂がいくらでも拡散してしまう世の中だから、将来にかかわるかもしれないでしょ。芸能人やスポーツ選手が、昔していたいじめの写真とかで、バッシング受けてテレビから消えたり、代表から外れたりもしているし。たしか小沢さんて中学の時、女の子をお相撲さんに見立てていじめていたっていうじゃない? 少し気を付けたほうがいいと思う」
「そんなのいや」奈緒が叫ぶ。
「小沢さんと付き合うなとかってことじゃないの。彼女にとてもつらい過去があって、それが原因でグレてしまったってことも知っているから、わたしはどこまでも彼女の味方だけれど、だからと言って、不良だった頃にかけた迷惑が許されるわけではないでしょ? もし不良がしているようなひどいいじめとかしていたとしたら、されていたほうは恨んでも恨みきれないと思う。それが明るみに出たら、どんなに説明したとしても、たぶん誰も彼女のつらい過去を顧みてくれないと思うの」
「わたし たちが 顧みる。そうじゃないと、南ちゃんが 救われないよ」
「そうね。だから、なにか分かったことがあったら、わたしたちに教えて。彼女も成瀬さんにはそういうことも話すと思うし。前もって知っていれば、わたしも小沢さんを擁護する言い訳を考えられるし」
奈緒は、悶々とした影に瞳を覆われながらも、「うん」と頷く。
すると杏奈が、声のトーンを変えて言った。
「それじゃあ、務君、帰りましょうか」
「成瀬さんも一緒に帰ろう」
務に誘われた奈緒だったが、少し考えるそぶりを見せて答えた。
「ううん。わたし、少し休んでいく。まだお昼のカフェラテが残ってい る か ら、これ飲んで 帰る」
そう言って、ブレザーのポケットから大将のカフェラテを取り出すと、自慢げに「これ」と付け加えて二人に見せる。そして、それを机に置くと、教室を出ていく正と副の委員長にバイバイをして見送った。
「成瀬さんも務君も立ち振る舞いには少し気を付けたほうがいいかも。前に高木君も言っていたけど、些細な噂がいくらでも拡散してしまう世の中だから、将来にかかわるかもしれないでしょ。芸能人やスポーツ選手が、昔していたいじめの写真とかで、バッシング受けてテレビから消えたり、代表から外れたりもしているし。たしか小沢さんて中学の時、女の子をお相撲さんに見立てていじめていたっていうじゃない? 少し気を付けたほうがいいと思う」
「そんなのいや」奈緒が叫ぶ。
「小沢さんと付き合うなとかってことじゃないの。彼女にとてもつらい過去があって、それが原因でグレてしまったってことも知っているから、わたしはどこまでも彼女の味方だけれど、だからと言って、不良だった頃にかけた迷惑が許されるわけではないでしょ? もし不良がしているようなひどいいじめとかしていたとしたら、されていたほうは恨んでも恨みきれないと思う。それが明るみに出たら、どんなに説明したとしても、たぶん誰も彼女のつらい過去を顧みてくれないと思うの」
「わたし たちが 顧みる。そうじゃないと、南ちゃんが 救われないよ」
「そうね。だから、なにか分かったことがあったら、わたしたちに教えて。彼女も成瀬さんにはそういうことも話すと思うし。前もって知っていれば、わたしも小沢さんを擁護する言い訳を考えられるし」
奈緒は、悶々とした影に瞳を覆われながらも、「うん」と頷く。
すると杏奈が、声のトーンを変えて言った。
「それじゃあ、務君、帰りましょうか」
「成瀬さんも一緒に帰ろう」
務に誘われた奈緒だったが、少し考えるそぶりを見せて答えた。
「ううん。わたし、少し休んでいく。まだお昼のカフェラテが残ってい る か ら、これ飲んで 帰る」
そう言って、ブレザーのポケットから大将のカフェラテを取り出すと、自慢げに「これ」と付け加えて二人に見せる。そして、それを机に置くと、教室を出ていく正と副の委員長にバイバイをして見送った。
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