FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の三学期

🌸

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 杏奈が名残惜しそうに、桜の木を見上げる。
「どうせなら決勝にだけ顔出して、桜見たい気分ね、まだちょっと早いけど。桜が咲き始めたことに気がついていたら、少し早く来てお花見したのに」
「わたしは気づいてた」と奈緒が自慢げに言った。「だって早く来て見たもん。向こうの通りの桜並木 きれいだった」
「花より団子の成瀬さんに後れをとるなんて」
 杏奈の言葉を聞いて、二人は大いに笑う。それから店内に入ると、真っ先におにぎりの棚に向かって行って、先頭の南が品定めを始めた。
 その後ろでお花見をあきらめきれない様子の杏奈が、ぼやくように口を開く。
「でも、わざわざ地区大会になんて足運ばなくてもいいのに。都大会とか関東大会に繋がる支部大会とかじゃないんだよ」
「そう言わないで、杏奈ちゃん。ち か く だ し。この間の“いちにち”の大会に来られなかったでしょう?」奈緒がなだめる。
「いちにち?」
「うん。“いちにちついたち”。ひだまりであったやつ」
「新人戦のこと? 一月ね」
「そう。“いちにちついたち”の日曜日」
 正解が出るまで何度か言い直させた杏奈を見やって、南が鼻で笑った。
「まあいいじゃん。今日は塾ないんでしょ。息抜きだと思ってバスケ観戦しようよ。土屋は今回もバレーの大会のほうに顔出してるから来られないし、杏奈一人でも加わってくれたほうが、高木も喜ぶと思うから」
「こんなことなら、務君とバレー部の応援に行っちゃえばよかったかしら。どうせこっちの決勝は、ひだまりと不動の試合だろうし、新人戦では勝っているんだから優勝でしょ? 負けても準優勝じゃない。どっちにしろ、いつも通りよ」
 二人も異を唱えず、「うんうん」と頷く。
 レジを終えると、南がトイレに行くというので、二人は出入り口の内側の端で待つことにした。




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