FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の三学期

🐿️

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 杏奈が答える。
「こんな街中にあるんじゃ大きく取れないわよ。校庭がない学校もあるくらいだし。うちの高校みたいに、大名屋敷とかがあった辺りの広大な敷地を利用して建てられた学校とは比べられないんじゃないかしら」
「それもそうか」
「でも人の学校に来るのって、不思議な感じがして新鮮ね。うちのは全体的にオレンジめいた内装だけれど、ここは青くて全然違う」
「しかも校内放送では、Jポップが流れてんのね」
「男子校っていっても、いたって普通だわ」
 辺りを見渡す二人に、菜緒が驚きの言葉を発する。
「そういえば、上履き忘れた」
「わたしも」
 表情を強張らせた南に、安奈が淡々と言葉を放る。
「スリッパ借りられるわよ」
 それを聞いた二人は安堵したが、エントランスまで来ると、頼りの安奈に不安の影が浮かぶ。
「シューロッカーがないのね、どこで履き替えるのかしら」
 なんとなくみんなの足元を確認しながら、列に続く。
「一足制なのね、ここ」
 安奈の言葉に、南が気を抜いて壁を撫でる。
「壁のデザインがおもしろいよ。ほら、ブロック塀べいみたい。わたしの知ってる学校ぽくないし、しかも迷路じゃん、ドキドキするね」
 菜緒がリズムカルに歌いだした。
「あ、どっこいしょのしょ、あ、どっこいしょのしょ、どっこいどっこいどっこいしょーのどっこいしょーのしょ。どっこいしょーのどっこいしょーのどっこいしょーのしょ」
 青い鉄の手すりでバランスを取りながら、えっちらおっちら下りていくこの子を下から見守る南が安奈に言った。
「体育館、地下二階なんだ。結構びっくり」
「ほんとにね。なんか迷子になりそうね」
 中に入ると、さらに南の驚きは続く。
「なにこの体育館。スタンド席あるじゃん。しかも一階に。見て、まだ試合はじまっていない。行こ行こ。だいぶ席埋まってる。前のほうなんて並んで三人座れそうもないよ。早く席取らないと一緒に見られなくなっちゃうよ」
 この驚きには奈緒と杏奈も加わっていて、言葉を返せずに見渡していた。
 南に名前を呼ばれたこの子が答える。
「でもコート、奥と手前の二つがあるよ。春樹君はどっちで“すあい” するのかな?」
「確かに。前みたく座りなおすには混みすぎてるよね」
 
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