FRIENDS

緒方宗谷

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一年生の三学期

🍭

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 自信満々の様子の奈緒が、水面に起こった水波紋のように、不安の枯れ葉を外に押しやる。
「そのためのこれですから」
 みんなが注目する中、ヨーグルト用にもらった小さなデザートスプーンを掲げて、慢心気味に見せびらかせた。
 南が感心する。
「ほんとにこのため? これ見越して買ったの?」
「もちろん」と、奈緒自慢げ。
「でも小山内さんの分がないよ」杏奈が控えめに指摘する。
「あらっ――」天地逆転奈緒絶句。
「あ、わたし大丈夫だよ、お箸あるから」
 一瞬にして青ざめた奈緒が、止まった心臓が動き出したかのようにほっと一息つく。それもつかの間、突然ぎょっとした。
「ヨーグルトどうしたっけ、わたし」
 トートバッグをまさぐるが、無い様子。
 しばらくみんなを待たせた奈緒は、ごみをまとめた水切り袋の中からようやく見つけた。
「あぶなかった。アロエのやつ、こんな ところに」と叱りつける。
「君が入れたんだけどね」
 南のつっこみにも素知らぬ顔で、大事そうにより分けてエコバックに戻す。ただ、自分の落ち度を認識しているようには見える。そして一瞬の間も置かずに、すぐに忘れた様子の笑みを浮かべて、ケーキに向かってデザートスプーンを構えた。
 杏奈から箱を受け取った南が、先に心愛にケーキを取らせ、重い口調で鋭い指摘。
「なし崩し的にではあるが、完全に忘却した気でおりますよ、この子」
 やっぱり奈緒は素知らぬ顔でなんにも答えずに、準備万端整えて、いただきますの合唱を今か今かと待っていた。





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