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二年生の一学期
第九十八話 二年生
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四月七日の金曜日。春休みが終わって二年生へと進級した奈緒は、クリーニングされた制服を着こんで学校へと向かって出発し、戸越公園駅を下車して、商店街を歩いていた。
「おはよう、奈緒」
振り向くとそこには南がいて、奈緒も挨拶を返してはにかむ。
「二年生ですね、成長 した の でしょうか」
「ちょっと前にバスケの試合で会ったばかりじゃん」
「それもそうか」
三月後半に行われた終業式から数週間しかたっていないにもかかわらず、学校へと向かう商店街を歩むひだまりの生徒たちは、長い月日を経て久しぶりの再会を果たしたかのようなはしゃぎっぷり。和気あいあいとしながら南と歩く奈緒も例外ではなかったが、少し不安を帯びているようにも見える。
奈緒がいっとき口をつぐんだ。
「クラス替えはどうなるのかな? うーん、緊張する。入学の日 以来の 緊張。また南ちゃんと 一緒になれたら いいなぁ」
「こればっかりは運に任せるしかないよね。もし別々になっても同じ階に並んだ教室同士なんだから会いに行くよ。こっちに来てくれてもいいし」
南はそう言ってくれたが、奈緒は不安を払拭できない様子で顎を下げる。
「中 学生に なった時、小学生の時の 仲よかった友達も 多くいた けれど、あんまり遊ばなくなって、いつの間にか 友達じゃないみたいになった。わたしも その 子も 新しい友達と 新しい遊びをするようになって、急に距離が 離れちゃった。たまにおしゃべりしても話が合わなかったり、だんだんとよそよそしくなって いったの。二年になったり三年になったりすると、やっぱりまた 別の友達ができて、一年の時に仲がよかった友達とは会わなくなった。みんな部活や進学の こと 考え始め たりして、小学生の時みたいに、なにも考えずに楽しいねって思って 一緒に遊ぶことがなくなった。 みんなとクラスが変わったら、そんなになっちゃうんじゃないかって、とても不安。わたしはこんなだから、もう 友達は 出来ないかも しれないし。杏奈ちゃんや務君は、今まで以上に勉強に 忙しくなる。春樹君も、チームが 本格 始動だよ。南ちゃんだって、自分の クラスで コミュ作らないと いけないから、わたしにかまっていられないと 思う。だからわたし、また一人ぼっちだ」
「おはよう、奈緒」
振り向くとそこには南がいて、奈緒も挨拶を返してはにかむ。
「二年生ですね、成長 した の でしょうか」
「ちょっと前にバスケの試合で会ったばかりじゃん」
「それもそうか」
三月後半に行われた終業式から数週間しかたっていないにもかかわらず、学校へと向かう商店街を歩むひだまりの生徒たちは、長い月日を経て久しぶりの再会を果たしたかのようなはしゃぎっぷり。和気あいあいとしながら南と歩く奈緒も例外ではなかったが、少し不安を帯びているようにも見える。
奈緒がいっとき口をつぐんだ。
「クラス替えはどうなるのかな? うーん、緊張する。入学の日 以来の 緊張。また南ちゃんと 一緒になれたら いいなぁ」
「こればっかりは運に任せるしかないよね。もし別々になっても同じ階に並んだ教室同士なんだから会いに行くよ。こっちに来てくれてもいいし」
南はそう言ってくれたが、奈緒は不安を払拭できない様子で顎を下げる。
「中 学生に なった時、小学生の時の 仲よかった友達も 多くいた けれど、あんまり遊ばなくなって、いつの間にか 友達じゃないみたいになった。わたしも その 子も 新しい友達と 新しい遊びをするようになって、急に距離が 離れちゃった。たまにおしゃべりしても話が合わなかったり、だんだんとよそよそしくなって いったの。二年になったり三年になったりすると、やっぱりまた 別の友達ができて、一年の時に仲がよかった友達とは会わなくなった。みんな部活や進学の こと 考え始め たりして、小学生の時みたいに、なにも考えずに楽しいねって思って 一緒に遊ぶことがなくなった。 みんなとクラスが変わったら、そんなになっちゃうんじゃないかって、とても不安。わたしはこんなだから、もう 友達は 出来ないかも しれないし。杏奈ちゃんや務君は、今まで以上に勉強に 忙しくなる。春樹君も、チームが 本格 始動だよ。南ちゃんだって、自分の クラスで コミュ作らないと いけないから、わたしにかまっていられないと 思う。だからわたし、また一人ぼっちだ」
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