FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🍭

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 瑠衣が考える。
「あしあらいって書いたら、足洗[ぞくせん]だよぉ」
「もうだめ。せんぞくせんぞくって……」奈緒が諦めた。
「こっちの洗足[せんぞく]は、洗足池って駅名だけれど、他に洗足って駅もあるねぇ」
 ややこしさにちんぷんかんぷんの奈緒が白旗を上げるのを見て、瑠衣が笑う。
「わたしは、雨でもよかったよぉ。そうじゃなかったら、こんなにお話ししなかったと思う。こんなにおしゃべりするの初めてぇ」
 その言葉を聞いて、奈緒は意外そうな顔をする。
「学校でい つ も みんなと楽しくお話し し て るでしょう? 男子からも人気があって、だれかにあれ、告白されたって聞いたことある。瑠衣ちゃんはお人形さんみたいに可愛くて、優しい から、女子 にも 男子 にも 好かれて いる から、羨ま しい。今日のふぁっしょんも、とても女の子らしくて、とっても似合って いるよ」
 瑠衣は、嬉しいのか嬉しくないのかよく分からない微妙な笑みを浮かべた。
「ありがとう。でもわたしが言いたかったのは、中身で話せたってこと。わたしたち似た者同士なのかも。小沢さんも」
「えー、違うよ。南ちゃんはふりょうだから。わたしと瑠衣ちゃんも 違う。あなたは色々と とてもよく考えていて、難しいことを言う。わたしは病気でバカだから、はんぶんも理解 できて いない。さっき、瑠衣ちゃんは、弱いから、一人で 過ごせないって 言った け れ ど、本当は、なんか、難しいことたくさん考えて るから、わたしなんかと一緒じゃなくても、一人で過ごせる は ず だ よ」
 瑠衣は寂しそうな顔をしたが、奈緒に微笑みかけられて、追随するように笑みを浮かべる。
 しばらく無言が続いたのち、クレープを食べ終わった黒髪少女が口を開いた。
「この袋にごみを捨てて」ペーパーパレットを捨てた水切り袋を差し出し、「美味しかった、ごちそうさまでした」と微笑む。そして、「ごちそうさまでした」と返した瑠衣に言った。
「楽しかったね、それじゃあ、帰るね。南ちゃんのことのアドバイス、どうもありがとうね」
 奈緒はスイモで改札にピッとすると、振り返って手を振って「ばいばーい」と伝えてから、ホームへと向かった。
 雨に降られたことと、クレープ屋さんの窓の上についたオーニングを飾る電飾に傘を引っかけてはずしたというハプニングを除けば、奈緒にとって良い収穫のある一日となった。






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