FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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 南が鼻で笑う。
「初参加の奈緒が、去年ボラ参加したわたしを案内できるの?」
 眼前の広場に出ると奈緒は南の手を引いたまま、横一列に並ぶテントの反対側に向かって歩み始めて答える。
「うん、出来ない。でも、こんなイベントあるなんて いいね。美術部だけかと思ったら、ひだまり沢山いる」
「基本、毎年一年生が派遣されるらしいからね。去年わたしも手伝ったし」
「うそだぁ、わたし知らない」
「奈緒は一学期にいなかったでしょ」
「そうか」
 憮然とした面持ちを見て、南が笑う。
「君のことだから、いたら参加しただろうね」
「どうでしょう、しなかったかも。去年はどうだったの?」
「そうだね」南が辺りを遠望した。「うちらの高校とひだまり小の間にあるあるから、今日みたいにたくさん子供がいたよ。学校からこっちに来ると、細い道を抜けるじゃない? すぐに鉢状の大きな公園が広がって、池を囲んで遊歩道が伸びているから、子供たちのいい遊び場になってたよ。水の生き物を捕まえて、他校の生徒が教えてあげてた気がする。どんなコーナーが設けられてたかは覚えてないけど、こんな感じだったんじゃないかな?」
「でもよかったねぇ。こんな公園を作ってくれて、あ り が と う」
「もともとあったんだよ、確か。去年聞いた話だと、ここら辺一帯って、ひだまり高校から、ひだまり小学校、文庫の森公園とか区立図書館のあたりも含めて、もともと――どこだっけ? 今では『からしれんこん』が有名になった県がある辺りのお殿様の旧下屋敷があった場所だったらしいよ。で、当時の庭園をそのまま整備したのが駅名にもなっているこの戸越公園なんだって。ほら、エコみらいの裏に古い木造の門があるでしょ、薬医門とかっていう。あれ、昭和になってから再建されたものらしいけど、ひだまり高校の正門辺りに実際にあったものを再現したみたいだよ。だからだね、江戸時代の趣があるのは。公園全体が平たくなくてくぼんでいるから、木々が生い茂っていても全体が見渡せて、なんとも風情を感じさる」
「こんな大きなイベントだとは意外でしたね」
「いや、去年もしたからわたしは」
 テントを眺めながら真ん中の広場を一周した二人が、かわら屋根の東屋まで戻ってきた。








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