363 / 838
二年生の一学期
🌸
しおりを挟む
春樹が呆れた様子で、道路の向こうへと渡った奈緒に声をかけてくる。
「今来たばかりで帰るってなに言ってんだよ。しかも三店はしごって、なにしに来たの?」
「おばあちゃんちー」
「じゃあ速攻行こうぜ」
「え~、カフェ飲んでく」
やって来たみんなの前でいやいやをしてから、後ろ髪を引っ張られたように後方を見やった奈緒に対して、務が甘やかすような笑みを浮かべた。
「お茶くらいならいいんじゃない?」
奈緒が微笑み返す。
「ケーキあるよ」
甘いときめきの味を薄めるように、春樹が口を挟む。
「なんで分かるんだよ」
「なんとなく」奈緒が憮然と答える。
「変なアンテナばかり高いな」
言葉でつつきあう二人をなだめようと、困り顔の杏奈が一歩足を踏み出す。
「まあまあ、楽しみはとっておいたらどうかしら。ケーキとかパンとかは、帰りにしましょう。新幹線の時間は午後なんだし」
「それもそうだね。やったね、たのしみだっ ね 」
奈緒が上半身を振り子のように揺らして返す言葉を聞いて、南が口を開く。
「それじゃあ、行こっか」
「ううん、コーヒーは飲んでく」
奈緒はそう言って、ガラス張りのドアを開けて中に入った。
小休憩をはさんで再び外へと出ると、春樹が店内での会話の流れを汲んで話し続ける。
「関東と言ってもあとちょっとで福島県との県境を跨ぐからな。そしたらもう東北だろ。でもあれだ、東京で桜楽しんで、こっちでも桜見れるなんて、ラッキーだったな」
「今来たばかりで帰るってなに言ってんだよ。しかも三店はしごって、なにしに来たの?」
「おばあちゃんちー」
「じゃあ速攻行こうぜ」
「え~、カフェ飲んでく」
やって来たみんなの前でいやいやをしてから、後ろ髪を引っ張られたように後方を見やった奈緒に対して、務が甘やかすような笑みを浮かべた。
「お茶くらいならいいんじゃない?」
奈緒が微笑み返す。
「ケーキあるよ」
甘いときめきの味を薄めるように、春樹が口を挟む。
「なんで分かるんだよ」
「なんとなく」奈緒が憮然と答える。
「変なアンテナばかり高いな」
言葉でつつきあう二人をなだめようと、困り顔の杏奈が一歩足を踏み出す。
「まあまあ、楽しみはとっておいたらどうかしら。ケーキとかパンとかは、帰りにしましょう。新幹線の時間は午後なんだし」
「それもそうだね。やったね、たのしみだっ ね 」
奈緒が上半身を振り子のように揺らして返す言葉を聞いて、南が口を開く。
「それじゃあ、行こっか」
「ううん、コーヒーは飲んでく」
奈緒はそう言って、ガラス張りのドアを開けて中に入った。
小休憩をはさんで再び外へと出ると、春樹が店内での会話の流れを汲んで話し続ける。
「関東と言ってもあとちょっとで福島県との県境を跨ぐからな。そしたらもう東北だろ。でもあれだ、東京で桜楽しんで、こっちでも桜見れるなんて、ラッキーだったな」
0
あなたにおすすめの小説
怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う
もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。
将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。
サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。
そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。
サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
ライト文芸
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる