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二年生の一学期
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あっけにとられるおばあちゃんの代わりに、南が口を開いた。
「むりむり。おばあちゃんの畑、このうちの敷地より大きいんだから」
奈緒愕然。
「ええっ? あの畑じゃないの?」 玄関のほうを指さす。
「まあ、それもそうだけど、おばあちゃんち農家だから裏に畑持ってて、すっごく大きいの。手作業じゃ終わんないと思うよ」
「あははは」とおばあちゃんが笑う。「大げさ。農家だったのは主人が死ぬまでの話で、もうだいぶ前に人様に譲ってしまったから、今では庭の菜園の他に、一反の畑だけ」
南が意外そうに言った。
「あれ、そうなの? 昔来た時、裏に何反もの畑や田んぼなかったけ?」
「あの頃はまだ残っていたかしらね。でももう年だし、女手一つでは管理できないから」
「一反ってどのくらい?」と訊く奈緒に、おばあちゃんが「三百坪」だと教えてくれたが分からない様子だったので、この家の広さで説明する。すると急にドン引きしたこの子は、「じゃあやめる。務君と春樹君がやる」と言って、即座に責任を男子に投げつけた。
「いや、むりだろ」春樹つっこむ。
「お庭なら出来るかもね」
微笑む務を見て、おばあちゃんが言った。
「それじゃあ、草むしりはいいから、種まき手伝ってくれないかねぇ。菜園に畝を作ったまではいいんだけれど、みんなのために山菜取りに行っていて、まだしてないの」
「それはやらないわけにはいかない。いっちょやりますか」春樹が意気込む。
五人は、ほとんど雑草の無い手入れされた庭の菜園に、色々な種を撒いて、近い将来育つであろう野菜たちに思いをはせた。
「むりむり。おばあちゃんの畑、このうちの敷地より大きいんだから」
奈緒愕然。
「ええっ? あの畑じゃないの?」 玄関のほうを指さす。
「まあ、それもそうだけど、おばあちゃんち農家だから裏に畑持ってて、すっごく大きいの。手作業じゃ終わんないと思うよ」
「あははは」とおばあちゃんが笑う。「大げさ。農家だったのは主人が死ぬまでの話で、もうだいぶ前に人様に譲ってしまったから、今では庭の菜園の他に、一反の畑だけ」
南が意外そうに言った。
「あれ、そうなの? 昔来た時、裏に何反もの畑や田んぼなかったけ?」
「あの頃はまだ残っていたかしらね。でももう年だし、女手一つでは管理できないから」
「一反ってどのくらい?」と訊く奈緒に、おばあちゃんが「三百坪」だと教えてくれたが分からない様子だったので、この家の広さで説明する。すると急にドン引きしたこの子は、「じゃあやめる。務君と春樹君がやる」と言って、即座に責任を男子に投げつけた。
「いや、むりだろ」春樹つっこむ。
「お庭なら出来るかもね」
微笑む務を見て、おばあちゃんが言った。
「それじゃあ、草むしりはいいから、種まき手伝ってくれないかねぇ。菜園に畝を作ったまではいいんだけれど、みんなのために山菜取りに行っていて、まだしてないの」
「それはやらないわけにはいかない。いっちょやりますか」春樹が意気込む。
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