FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🍭

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 予定経路に戻って進んでいくと、途中ちらほらと石造りの建物が散見される。左手にあった交流センターを通り抜けた辺りで、春樹が確認するように後ろを見返して、街のシルエットを眺める。
「こういうの保存したほうがいいよな。されてるのかな?」
 銀行が構える突き当りを左折すると間もなく、低くありながらも重厚な石塀があって、内側に石蔵が聳えているのが見えた。
「こんなのも昔はどこにでもあったんだろうけど、今となってはこれだけ……そのうち遺構のみになってしまうぞ」
 春樹が悲しむような眼差しで言って、石塀をぺしぺし叩く。
 西通り商店街を右折して歩いていると、奈緒が「うわぁ」と、感嘆の声を上げて立ち止まった。見上げた先には濃い灰色の蔵があって、窓も何も無い壁一面に大きな絵が描いてある。地平線の向こうに三つの山が見える草原の中央に白桜色の葉が生い茂る木が一本あり、その右下では、アメリカの牧場や農場で働いていそうな田舎ファッションに身を包んだ三人の男が座っていて、真ん中の一人がギターか何かを弾いている。
「それでいて、カントリーかフォークソングをしてそうな顔立ちだね」
 南が言いうと、春樹がすぐに反応した。
「なにに対してそれでいてかのか分かんねぇけど、そう言われると、イギリスのバンドが来日したころの日本のバンドに見えてきた」
「海もあるね?」奈緒が言う。
「どこ? ないよそんなの」
 南に言われて「これ、」と指を差して、山の真ん中を横切る溝をなぞる。
「ああ、」みんなが口を揃え、すぐに務と春樹が奈緒を褒めた。
「確かにそう見えるね。欠けているところが対岸の山影みたいだ」
「さすが美術部」
 南や杏奈にもほめそやされてた奈緒は、「もとだけどね」と得意になって悦に浸る。
「芸術は感じることが大事。見方は 人 それぞれだから、見えたまま感じたままに、言葉に すれば いいのよ。それが 描いた人の意図とちがって い て も」
 みんなは感心しながら絵を見上げる。それぞれが思い思いの感想を心に描いた様子だった。






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