FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

第百三十七話 照射のバルコニー

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 小鳥のさえずりが聞こえ始めてからしばらくすると、曙光が木々の合間を縫ってログハウスを闇夜に照らし出した。寝室は、無垢な丸太が発するパインのかおりに満たされていて、とても清々しい空間と化している。
 まだ夢の中にいる奈緒が寝返りをうったちょうどその時、階下からみんなの笑い声が聞こえてぼんやりと目を覚ました。そして塗装されていない木の香りを胸いっぱいに吸い込む。そのまま二度寝したこの子は、骨が無くなったかのようにもそもそと起き上がるとあひる座りで辺りを見渡し、手櫛で雑に髪をとかしてから、まつ毛に隠れた双眸で部屋を見渡してベッドを下り、とってとってと一階に下りていった。
「おはよう ございまあす」奈緒が寝ぼけまなこでみんなを見渡す。
 みんなの挨拶が響き終わると、杏奈が言った。
「どう? よく眠れた?」
「うんー、天国みたいな寝心地だった。真新しい香りのする真っ白なシーツに くるまれて、雲の上にいるようで、いまだに幸せ気分。ああ、お味噌汁の海に 沈んでいくようでした」この子が微睡む。
 キッチンで火にかかった中くらいでワンハンドルの鍋を見ていた南が、小皿で一口味見をしてから振り返った。
「あはは、そのままそこで爆睡しないでよ。もう朝ごはんだから顔洗って、準備手伝って」
「はぁい」と返事をした奈緒は、ダイニングテーブルから顔を上げて、洗面所へと向かう。そして戻ってくると、元気よく唇を開く。
「外で食べよう、山小屋 らしく」
「いいんじゃね?」春樹が、奈緒のフロントボタンを上から順に見下ろす。「河原で使ったテーブルとイス並べればすぐだろ」みんなの顔に視線を回しながら言うと、最後に務を見る。
「そうだね。バルコニーで食事するなんて、普段経験できないもんね」
 二人の言葉に南と杏奈が頷くのを見た奈緒は、喜び勇んで差し込む朝日で霞むリビングへと駆けて行って、勢いよく窓を開けた。
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