FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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 くしゃっと潰した折り紙みたいに渋い顔をして春樹が続ける
「タクシーの窓から見たんだけど、晴れ着屋のそばに自販機あったしな」
「それは、みんな同罪じゃない? 五人もいて誰も気づかないなんて、どゆこと?」
 みんなはジトッと南に睨まれて、己を笑うかのように苦笑した。
 駅の反対側に来ると、春樹が更に続ける。
「こっちも整備されてたしな。改札側にエレベーターないのが玉に傷だけど」
 奇麗な自転車置き場やバスとタクシーのロータリー眺めて、南が頷く。
「うん、それはわたしもびっくりした。うる覚えだけど、寂しい空き地みたいだった気がする。全くなにもなかったわけじゃなかったけど」
 談笑しながら横断歩道を渡って右折し、スナックの駐車場を左に曲がってしばらくすると、春樹がどこまでも伸び行く道の先を遠望して、なぞるように視線を戻し、一点に視点をとどめる。
「田舎は面白いよな。とまれって書かれたひらがなに続いて、縞々の矢印の頭がプリントされてあるじゃん。うちの周りじゃまず見ないデザインだよ。そういえば昔岡山に行った時、出会い頭ってのがあって、ぎょっとしたぜ。しかも『!』マーク付きのやつもあったし」
「それならここは、岡山よりまともってことか」南が満足そうに、笑顔を頬で包んだ。
「岡山なめんな、デニムの聖地があるかんな」
 デニムで無双羽織の春樹と白虎隊姿の南が対峙するさまが見えるほどに、バチバチ火花が散る。
 春樹がほくそ笑んだ。
「黒磯は確かになめられないよな。田んぼの中に鉄塔があるのもシュールだし。普通近寄んないように網柵はんだろ。あの下で農作業するなんて確かにいい名物になりそうだぜ」
「なんか、のどかでいいでしょ」
 南が嫌味に、鼻で笑って返す。
 蒼然とした空の下で田んぼの水面を風がなびく度に水波紋が走って、影が生き物のように表情を変える。
 竹交じりの鬱蒼とした林を左折してしばらく歩くと、春樹が視線を上げて酒屋を見た。
「こっちは自販機だらけだな。駅の向こうが嘘みたいだ。ここに来るだけでも三台あったぜ。この酒屋の入れたら八台か、二台はたばこだけど。それにしてもあっちが懐かしい。でもそう思うと俺たち、都会に汚染されまくってんのな。この光景見てほっとするもん」
 杏奈が困り顔で笑う。
「最初来る前は、いったいどんなところなんだろうって心配していたのよ。小沢さんが人もいないしなんにもないし、なんていうから。帰ってこられるのかしらって内心怯えていたの」
「でも、こっちにコンビニないっていうのは間違っていなかったでしょ」



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