FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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 饒舌とは言えないたどたどしさで訥々と紡ぐ言葉であったが、そこに込められた想いは綺麗な糸となって生地を編み上げていくようだ。
 おばあちゃんが、野山に吹くそよ風のように微笑む。
「情景を想って描いているというより、その時の気持ちを思い出して色を広げているとでもいうのかねぇ。その気持ちに押されて筆を走らせているような感じで。娘の成長の節目節目で感じたことや、孫の南が遊びに来てくれた時の楽しい気持ちとかの思い出を思い出して。でも、文章に頼っている側面は大きいわ。俳句やっていたから。五、七、五ではないけれど、短い詩に気持ちを込めるように書くと、だいぶ違うと思うわ」
 南が、のどかに笑む。 
「そういえば、奈緒の絵手紙とかもそんな感じがする。ありがとうとか、またお会いしましょうねとか、気持ちが込められた言葉は、情景が思い浮かばないまでも気持ちが温かくなるもん」
「そんな褒められてもなにも出ないし」奈緒が下唇で上唇を押し上げて、笑いを頬にため込む。そして「でもこれあげる」と言って、昨日の帰り道でおみやげ用に買ったのに結局自分で開けて食べてしまったクッキーをポケットから二つ取り出して、それを渡す。
「ありがとう」と受け取った南が続ける。
「でも個人的には、ぐるぐる巻きとかわけわかんないやつが好きなんだよね」
「やっぱり一つ返して」
 奈緒は自分の席に座るなり腰を浮かして手を伸ばすと、正面に座っていた南の手からクッキーを取り戻す。
 巻き起こった爆笑が退潮して間もなくコーヒーを飲み終わると、おもむろに奈緒が座卓の下から足を抜いて、もそもそと大きな芋虫のように丸くなった。
「それでは、お礼に、わたしの お得意料理を伝授しまぁす」
 と大きな声を出して立ち上がると、ぴょこぴょこ食堂へと向かって行く。
 南が慌てた。
「いいよ、いいよ。なにもしなくて」
「どうして」奈緒が嫌な顔をした。「お母さん直伝の家庭の味よ」
 そう言って、勝手に冷蔵庫を物色しだす。
「ベーコンと人参とブロッコリーと玉ねぎ……ああっ、えぇっと――これらをいれまーす」そう続けて、ベーコンと人参とブロッコリーを順々にテーブルに出す。



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