FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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「ずるいよ、わたしだって友達なのにのけ者にして」奈緒が恨みがましく瑠衣を見た。
 ぷんすかと怒るこの子に向かって、おどけた様子の彼女が言った。
「でも妬いちゃいますぅ。小沢さん、ずっとなおちんの話するんですもん。二人は深い友情で結ばれているんだなぁって思いましたぁ」
 だがその言葉は、南だけに向けられたようだった。
 奈緒が左の袖をバタバタと羽ばたかせながら、風船を膨らませて飛ばすように楽しげな声を上げる。
「今から三人で行こう。ちょうどごはん食べたいし」
 南が困った表情を浮かべる。
「奈緒来るの一時過ぎるって聞いたから、二人でごはんも食べちゃった」
「ええーっ⁉」
「そこのハワイアンな感じのお店でランチしようってことになって、二人とも日替わりランチにしたんだけど、確かサンドウィッチもあったかな、奈緒は気に入ると思うよ」
「うそ、そんなのあるの?」
 南が意外そうな顔をする。
「あら、知らないの? 意外、奈緒が気がつかないなんて。駅出てここ来るまでの間にあるでしょ」
「いつもは反対から歩いて来て、電車で帰る」
 瑠衣が弾けるように高い声を上げる。
「うそぉ⁉ 北千束からここまで⁉ 遠くない? 歩ける距離なのぉ?」
「そんなことないよ、十五分とか二十分とか、しないで来れるよ」
 南が真上に生い茂る藤の葉を見上げる。
「ということは、五分十分くらいあればわたしらでも来れる距離かな。そういえば、旗の台から北千束まで歩くって言っていたっけ。それなら楽勝だね」
 信じられない様子で言葉を飲む瑠衣が二人を交互に見やったあと、奈緒の着ていた白いワイシャツのボタンを見つめていると、その横から数歩歩み出た南が、動かない右手の袖を取って持ち上げる。
「ちょっとサイズ大きすぎない? いい柄だけど、もらうときはちゃんとサイズ合わさなきゃ」
「ううん、お父さんに貰ったの。はずれちゃったから、こう、こうって直して」
 ああでもないこうでもないと、すったもんだとしたやりとりを交わしてから、ようやく理解した南が、奈緒の袖を数回折り返して手首にあった輪ゴムでとめる。
「それにしても、最近暑かったり寒かったりして忙しいね」
「だからすぐ脱げるように、ワイシャツにした」


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