FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

第百四十五話 告白

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 先頭を切って公園の広場を歩いていた南が、後ろを歩いている二人が藤棚の下に入るや否や振り返って、瑠衣の胸部から上を真剣な瞳で捉えた。
「流川、今度からこういうのやめてくれないかな? あんたがどんな思惑でこんなことしたのか分かんないけど、奈緒一人のけ者して楽しむなんてどうかしてる。奈緒だって傷ついていると思うよ。ソフトおごられて機嫌直したようにしてるけど。わたしだって、今は奈緒に申し訳ない気持ちでいっぱいだし。それに、今回は流川が奈緒の友達だと思ったから付き合って公園にいたけど、どうも違う気がする。これから奈緒が来るっていうのに、待たずにボート乗ってお茶してごはんまで食べちゃって。そこまではわたしも付き合ったけど、さすがに奈緒が遅れた理由知ったら、もうあんたに付き合えないよね。もし友達の仮面かぶって奈緒になにかしようとしているのなら、わたしは許さないよ」
 常に沈着冷静な表情の瑠衣が、あからさまに慌てふためく。
「あ…いや……わたし、そういうつもりじゃ――」
「じゃあ、どういうつもり? 少なくともわたしたち性格合わないし、どうしてわたしと遊びたいって思ったのか疑問なんだけど」
「あの、わたし、その……小沢さんのことすてきだなぁって。一年の時クラス違いましたけど、噂はよく聞こえてきていました。特に鳥羽さんたちとぶつかってた件とか。小沢さんって、自己が確立していてすごいなぁっていうか、孤立も恐れずに自我を貫けてすごいなぁって見ていました。あまつさえなおちんのことまで守りだして。あのぉ……申し訳ないんですけどぉ」奈緒をちらりと見やって視線を落とし、「なおちんには同情していました。障がいがあって可哀想だなって。たまに廊下で見かけるなおちんって、雰囲気でいじめられているっていうかぁ、無言のいじめの中にいる感じだったから、すぐに学校辞めるんだろうなぁって思ってた」ほぼ真下を向いて続ける。「それなのにぃ、だんだんなんかすごく輝いていって、ついにはウィップスまで従えてステージに立っちゃったじゃないですかぁ。ほんとう信じられません。それを支えてたのは、黒磯に遊びに行ったみんながいたからですよねぇ。その四人だって、小沢さんがいなかったら集結しなかった四人だと思うんですよぉ。そもそも小沢さんは四人と接点なさそうだったし、土屋君と廣飯さんは生徒会だから別として、高木君だって特別積極的になおちんに親身になる性格には見えないしぃ。どうせ女の子とイチャイチャするのに忙しくて、小沢さんが声を上げなかったら、なおちんのことなんて気にも留めなかったって思いません? あのくそ野郎」



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