447 / 838
二年生の一学期
第百四十五話 告白
しおりを挟む
先頭を切って公園の広場を歩いていた南が、後ろを歩いている二人が藤棚の下に入るや否や振り返って、瑠衣の胸部から上を真剣な瞳で捉えた。
「流川、今度からこういうのやめてくれないかな? あんたがどんな思惑でこんなことしたのか分かんないけど、奈緒一人のけ者して楽しむなんてどうかしてる。奈緒だって傷ついていると思うよ。ソフトおごられて機嫌直したようにしてるけど。わたしだって、今は奈緒に申し訳ない気持ちでいっぱいだし。それに、今回は流川が奈緒の友達だと思ったから付き合って公園にいたけど、どうも違う気がする。これから奈緒が来るっていうのに、待たずにボート乗ってお茶してごはんまで食べちゃって。そこまではわたしも付き合ったけど、さすがに奈緒が遅れた理由知ったら、もうあんたに付き合えないよね。もし友達の仮面かぶって奈緒になにかしようとしているのなら、わたしは許さないよ」
常に沈着冷静な表情の瑠衣が、あからさまに慌てふためく。
「あ…いや……わたし、そういうつもりじゃ――」
「じゃあ、どういうつもり? 少なくともわたしたち性格合わないし、どうしてわたしと遊びたいって思ったのか疑問なんだけど」
「あの、わたし、その……小沢さんのことすてきだなぁって。一年の時クラス違いましたけど、噂はよく聞こえてきていました。特に鳥羽さんたちとぶつかってた件とか。小沢さんって、自己が確立していてすごいなぁっていうか、孤立も恐れずに自我を貫けてすごいなぁって見ていました。あまつさえなおちんのことまで守りだして。あのぉ……申し訳ないんですけどぉ」奈緒をちらりと見やって視線を落とし、「なおちんには同情していました。障がいがあって可哀想だなって。たまに廊下で見かけるなおちんって、雰囲気でいじめられているっていうかぁ、無言のいじめの中にいる感じだったから、すぐに学校辞めるんだろうなぁって思ってた」ほぼ真下を向いて続ける。「それなのにぃ、だんだんなんかすごく輝いていって、ついにはウィップスまで従えてステージに立っちゃったじゃないですかぁ。ほんとう信じられません。それを支えてたのは、黒磯に遊びに行ったみんながいたからですよねぇ。その四人だって、小沢さんがいなかったら集結しなかった四人だと思うんですよぉ。そもそも小沢さんは四人と接点なさそうだったし、土屋君と廣飯さんは生徒会だから別として、高木君だって特別積極的になおちんに親身になる性格には見えないしぃ。どうせ女の子とイチャイチャするのに忙しくて、小沢さんが声を上げなかったら、なおちんのことなんて気にも留めなかったって思いません? あのくそ野郎」
「流川、今度からこういうのやめてくれないかな? あんたがどんな思惑でこんなことしたのか分かんないけど、奈緒一人のけ者して楽しむなんてどうかしてる。奈緒だって傷ついていると思うよ。ソフトおごられて機嫌直したようにしてるけど。わたしだって、今は奈緒に申し訳ない気持ちでいっぱいだし。それに、今回は流川が奈緒の友達だと思ったから付き合って公園にいたけど、どうも違う気がする。これから奈緒が来るっていうのに、待たずにボート乗ってお茶してごはんまで食べちゃって。そこまではわたしも付き合ったけど、さすがに奈緒が遅れた理由知ったら、もうあんたに付き合えないよね。もし友達の仮面かぶって奈緒になにかしようとしているのなら、わたしは許さないよ」
常に沈着冷静な表情の瑠衣が、あからさまに慌てふためく。
「あ…いや……わたし、そういうつもりじゃ――」
「じゃあ、どういうつもり? 少なくともわたしたち性格合わないし、どうしてわたしと遊びたいって思ったのか疑問なんだけど」
「あの、わたし、その……小沢さんのことすてきだなぁって。一年の時クラス違いましたけど、噂はよく聞こえてきていました。特に鳥羽さんたちとぶつかってた件とか。小沢さんって、自己が確立していてすごいなぁっていうか、孤立も恐れずに自我を貫けてすごいなぁって見ていました。あまつさえなおちんのことまで守りだして。あのぉ……申し訳ないんですけどぉ」奈緒をちらりと見やって視線を落とし、「なおちんには同情していました。障がいがあって可哀想だなって。たまに廊下で見かけるなおちんって、雰囲気でいじめられているっていうかぁ、無言のいじめの中にいる感じだったから、すぐに学校辞めるんだろうなぁって思ってた」ほぼ真下を向いて続ける。「それなのにぃ、だんだんなんかすごく輝いていって、ついにはウィップスまで従えてステージに立っちゃったじゃないですかぁ。ほんとう信じられません。それを支えてたのは、黒磯に遊びに行ったみんながいたからですよねぇ。その四人だって、小沢さんがいなかったら集結しなかった四人だと思うんですよぉ。そもそも小沢さんは四人と接点なさそうだったし、土屋君と廣飯さんは生徒会だから別として、高木君だって特別積極的になおちんに親身になる性格には見えないしぃ。どうせ女の子とイチャイチャするのに忙しくて、小沢さんが声を上げなかったら、なおちんのことなんて気にも留めなかったって思いません? あのくそ野郎」
0
あなたにおすすめの小説
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
ライト文芸
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる