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二年生の一学期
🐿️
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「すごいこと言ったな、その顔で」南が苦笑を浮かべる。
「それで、なおちんすごいなって。半身不随のなおちんがあんなすてきなダンス披露したんだから、もしわたしも頑張ったらなおちんみたいになれるのかなって。もしわたしも小沢さんのそばにいられたら変われるのかなって――」
言葉を詰まらせた瑠衣に向かって、奈緒が身体障がい者をレペゼン[レプリゼント]するかのようにバウンズしながら、胸を後ろにアイソしだした。
「障がいは障がいだって思うから障がいなんだよ。つっかえてしゃべれなくて伝わんないけど、気持ちは病気になる前から変わらないから、溜まってるよ。だから必要な時に噴き出すの。よーい」
そして最後に、親指と小指をたたんでフィンガーサイン。
「ん? なんか違くない?」
南に指摘されて、「わかんない」奈緒が首を傾げる。
自分の穿いた白い普段着ドレスのロングスカートを花でも愛でるかのように眺め下ろした瑠衣が神妙な面持ちで顔を上げると、黒いプルオーバーのパーカーに隠れた南の胸の尾根を見やってから、デニムの膝のダメージに視線を落とす。
「っ――わたし、好きです」
疑問符が頭のそばについた南のフォルムを撫でるように、瑠衣がゆっくりと瞳を上げる。そして意味深に視線を交錯させた。
「わたしは好きなんです。小沢さんのこと好きですよ。恋愛対象として」
一瞬にしてどぎまぎしだした南は、関節が固まった様子で油が切れたような裏返った声を発した。
「は? やめてよ冗談言うの、一瞬ドキッとしちゃったじゃない」
「冗談じゃないです。同性が好きな女の子って嫌いですか?」
「べつに嫌いじゃないけど、わたし、恋愛対象は異性だよ」
いつになく積極的な態度で身を乗り出した瑠衣が続ける。
「それでもいいです。今は恋愛感情をいだいているわけではありませんので。それより、小沢さんのこと、南さんって呼んでいいですか?」
「え? あー、うん、べつに構わないけど」
おざなりにされた奈緒が、割って入って問いただす。
「瑠衣ちゃん、わたしは? わたしは?」
「べつに好きじゃない」
「それで、なおちんすごいなって。半身不随のなおちんがあんなすてきなダンス披露したんだから、もしわたしも頑張ったらなおちんみたいになれるのかなって。もしわたしも小沢さんのそばにいられたら変われるのかなって――」
言葉を詰まらせた瑠衣に向かって、奈緒が身体障がい者をレペゼン[レプリゼント]するかのようにバウンズしながら、胸を後ろにアイソしだした。
「障がいは障がいだって思うから障がいなんだよ。つっかえてしゃべれなくて伝わんないけど、気持ちは病気になる前から変わらないから、溜まってるよ。だから必要な時に噴き出すの。よーい」
そして最後に、親指と小指をたたんでフィンガーサイン。
「ん? なんか違くない?」
南に指摘されて、「わかんない」奈緒が首を傾げる。
自分の穿いた白い普段着ドレスのロングスカートを花でも愛でるかのように眺め下ろした瑠衣が神妙な面持ちで顔を上げると、黒いプルオーバーのパーカーに隠れた南の胸の尾根を見やってから、デニムの膝のダメージに視線を落とす。
「っ――わたし、好きです」
疑問符が頭のそばについた南のフォルムを撫でるように、瑠衣がゆっくりと瞳を上げる。そして意味深に視線を交錯させた。
「わたしは好きなんです。小沢さんのこと好きですよ。恋愛対象として」
一瞬にしてどぎまぎしだした南は、関節が固まった様子で油が切れたような裏返った声を発した。
「は? やめてよ冗談言うの、一瞬ドキッとしちゃったじゃない」
「冗談じゃないです。同性が好きな女の子って嫌いですか?」
「べつに嫌いじゃないけど、わたし、恋愛対象は異性だよ」
いつになく積極的な態度で身を乗り出した瑠衣が続ける。
「それでもいいです。今は恋愛感情をいだいているわけではありませんので。それより、小沢さんのこと、南さんって呼んでいいですか?」
「え? あー、うん、べつに構わないけど」
おざなりにされた奈緒が、割って入って問いただす。
「瑠衣ちゃん、わたしは? わたしは?」
「べつに好きじゃない」
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