FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🍭

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 席に着いた奈緒は、いつもの通りのセットメニューを注文したのち、コーヒーは食膳にと頼む。
 しばらくして運ばれてきた肉厚で背高のっぽなコーヒーカップにはフライパンの絵があり、高い鼻のようなラインの取っ手がついていて、大きめのソーサーにチョンと乗った銀のミルクさしもある。
 いつもの通り真っ先にミルクを全部入れて、テーブルに備え付けられたスティックシュガー二本を投入。のんびりと飲みながら店内を鑑賞する。
 次いで運ばれてきたのは、スフレオムライスプレート。これもいつも頼む品。サラダがついていて、選べるソースとドリンクとデザートは必ず、最初に出してもらったコーヒーの他、ビーフシチューとカステラパンケーキ。ケチャップライスに盛られた一回り大きなオムレツは、繭のように滑らかで優しげで、お母さんのお胸のような柔らかさ。今日も奈緒は、それを目で確かめてついつい和む。
 スプーンを入れるのがいつももったいなく思うのか躊躇しながらも、真っ先にオムレツの左端につぼ先を入れて掬いとる。
 ラウンドプレートにはミニピッチャーが二つのっていて、白い磁器のほうにフレンチドレッシング、ガラスのほうにメープル、溶けた雪だるまみたいなムースののったパンケーキは、片手でも食べやすいように八等分に切っておいてもらった。
 食べ終わったのち、奈緒はあたりを見渡した。誰も見ていないことを確認して、スプーンをメープルシロップでなみなみと満たす。そしてパクリと口に運ぶ。至福のひと時なのだろう。これ以上ないというほどのまったりとした恍惚に浸る。
 ただ人が見ていても気にせずに実行する。本当ははしたないけど、メープルシロップの前では仕方がないと思っているのか、それとも全くはしたないとは思っていないのか、それは定かではない。
 それから口直しにスティックシュガー二本分の甘さがあるコーヒーの残りを飲むと、もうご満悦。これ以上ないくらいの幸せ笑顔でうっとりとしながら店を出る。
「あ、そうだ、忘れてた」ふと呟く。
 左を向いた奈緒は何かを思い出して駅へと向かうのをやめ、後ろに身を向ける。そして歩き出した。
 この子は、べつにアフロを見てオムライスを食べることを主目的にしてここまで来たわけではない。本来の目的を実行すべく、一人目的地へと向かってオムレツ専門店をあとにした。







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