FRIENDS

緒方宗谷

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二年生の一学期

🐿️

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 奈緒がぶっきらぼうに言った。
「映ってないじゃん」
 あからさまに気を悪くした店長が言葉を返さないのを見て、この子は「行こ」と一人ごちって背を向ける。
「それじゃあ、かばんから出てきた万年筆はどう説明するんですか? カメラに映っていなければ盗っていないと証明されたわけではないんですけどね」
 店長は一矢報いるようにそう言って、VTRの確認を続ける。
 下唇をかみしめてモニターを見上げる杏奈は、ライラック色でWガーゼティの二段ティアードのロングスカートを握っており、ここに入った頃から心なしか恐怖を覚えているようだったが、VTRがある部分に差し掛かると、さらに緊張の色を鮮明にした。
「杏奈ちゃんだ」振り返ってモニターを見た奈緒が呟く。
「うん。安いほうの万年筆コーナーで物色してた。わたし初めてここ来るから、高いコーナーがあるって知らなくて」
 壁にある画用紙コーナーと一般万年筆コーナーで試し書きをする杏奈は、ふと顔を上げて静止すると、中央の導線へと向かい、カメラの撮影範囲から外れた。
 安心した様子で微かに息を吐いた奈緒が口を開く。
「ほら、結局わたし盗ってないよ。こんなひどい扱い受けて、ひどいんだぁ。ぷんぷんだって、怒るかんね」
 まくしたてられてムッとした様子の店長が反論した。
「じゃあ、いいですよ、もう警察呼びましょう。わたしでは対処できませんからね。泣いて謝っても店としては許しませんから」
「ええっ⁉」と杏奈が叫ぶ。店長が手を添えた受話器を押さえて哀訴する。
「ちょっと待ってください。この子がお店の物を盗ったのは、わたしから謝ります。でもこの子は身体障がい者で、自分の意思で言動をコントロールできないんです。学校でも勉強や友達関係も上手くいっていなくて、すごくストレスを抱えているんです。それでどうしようもなくて思わず盗ってしまっただけだと思うんです。万引きしようとかって意思があったわけではありません。この子がいい子なのは、友達のわたしが証明します。わたしが言って聞かせますから、二度としないって約束させますから、どうか許してください」
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