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二年生の一学期
第百五十二話 悪意噴出
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万年筆事件のあくる日、二年C組の教室は騒然となっていた。教室の扉は前も後ろも開け広げられて、他のクラスの生徒たちが集まって中をのぞき込んでいる。
南と一緒に登校してきた奈緒が、その光景を見やって首を傾げた。
「どうしたんだろう。見に行ってみようよ、南ちゃん」
「行くもなにも、わたしたちの教室だからね、あそこ」
「ああそうか」と分かったようなそぶりを見せて人混みをかき分けて、比較的人の少なかった後ろのドアから中に入った奈緒は、黒板を見て愕然とした。あとに続いて教室へと足を踏み入れた南も黒板を一瞥すると、信じられない様子で固まる。
そこにはでかでかとした文字でこう書かれていた。
『目撃スクープ!! 成瀬奈緒が昨日自由ヶ丘の画材店で万年筆を万引き』
黒板の八割がたを覆うこの文字の周辺には、
『私が盗りました。ごめんなさい と泣いて謝る事件』
『消しゴム、筆ペン、インクボトルや水彩色鉛筆も一本拝借』
『なりふり構わない姿は下品極まりなかった』
『障がいを利用して許しを請う』
『バックヤードでなにが⁉ 何事も無く出てきたこいつはなにを代償に払ったのか』
『警察にご厄介。手錠で御用。今日学校に来られたら笑いもの』
『どう言い訳するのか見もの』
等々、散々たる短文が、赤と白のチョークで書き散らかされていた。
「なにこれ、ひどい」南が動揺した様子で奈緒を見る。
教室中から注がれる奇異の目に晒されたこの子は、どうすることも出来ずガラス人形のように立ち固まっていた。
「どうしたの? 大丈夫? いったいなんでこんなこと」
務が後ろのドアから入ってきて、奈緒の背中に向かって声をかけると、周囲を見渡して状況の把握に努める。窓際で一番後ろの席で両肘をついて俯いていたクラス委員長の新島唯が、それに気がついて立ち上がった。
南と一緒に登校してきた奈緒が、その光景を見やって首を傾げた。
「どうしたんだろう。見に行ってみようよ、南ちゃん」
「行くもなにも、わたしたちの教室だからね、あそこ」
「ああそうか」と分かったようなそぶりを見せて人混みをかき分けて、比較的人の少なかった後ろのドアから中に入った奈緒は、黒板を見て愕然とした。あとに続いて教室へと足を踏み入れた南も黒板を一瞥すると、信じられない様子で固まる。
そこにはでかでかとした文字でこう書かれていた。
『目撃スクープ!! 成瀬奈緒が昨日自由ヶ丘の画材店で万年筆を万引き』
黒板の八割がたを覆うこの文字の周辺には、
『私が盗りました。ごめんなさい と泣いて謝る事件』
『消しゴム、筆ペン、インクボトルや水彩色鉛筆も一本拝借』
『なりふり構わない姿は下品極まりなかった』
『障がいを利用して許しを請う』
『バックヤードでなにが⁉ 何事も無く出てきたこいつはなにを代償に払ったのか』
『警察にご厄介。手錠で御用。今日学校に来られたら笑いもの』
『どう言い訳するのか見もの』
等々、散々たる短文が、赤と白のチョークで書き散らかされていた。
「なにこれ、ひどい」南が動揺した様子で奈緒を見る。
教室中から注がれる奇異の目に晒されたこの子は、どうすることも出来ずガラス人形のように立ち固まっていた。
「どうしたの? 大丈夫? いったいなんでこんなこと」
務が後ろのドアから入ってきて、奈緒の背中に向かって声をかけると、周囲を見渡して状況の把握に努める。窓際で一番後ろの席で両肘をついて俯いていたクラス委員長の新島唯が、それに気がついて立ち上がった。
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