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二年生の一学期
第百五十四話 意外な処分
しおりを挟むそこは日当たりの悪い部屋だった。窓は大きかったのでそれなりに採光はされていたが、部屋はだいぶ薄影に染まっている。節電のためか全て消灯された蛍光灯が並ぶ天井の下に立たされている奈緒の前には重厚で大きな木製の机が置いてあって、バーコード頭をした浅黒い肌の痩せた校長が肘をついて、組んだ指を口もとにあてがって座っている。彼の左手側には、教頭と担任の鈴木沙雪の姿もあった。
重苦しい雰囲気の中で長々と交わされた会話が終わって、最後に校長が奈緒に言った。
「それじゃあ、もう一時間目の授業が始まっている時間だから、早く教室に戻りなさい。今日の話はよく考えておくように。廣飯さんや土屋君までもが君を心配してわたしに直訴してきたくらいなのだから、君が本当にしていないって言うのは、先生たちはみんな信じているからね。それだけは忘れないようにすること。それから、どうしてこういうことになってしまったのかよく考えて、ちゃんと反省すること。いいね」
「はい」
奈緒はしょげ返った様子で返事をすると、一礼して校長室から逃げるようにして廊下に出た。すぐさま南たち四人がこの子を取り囲む。
最初に口を開いたのは務だった。
「どうだった?」と奈緒に訊く。
「うん、まず初めに、杏奈ちゃんと務君、校長先生に 言ってくれて ありがとうございました」
少し幼子めいた口調でお礼を言って頭を下げると、普通に淡々と言葉を繋げる。
「先生たち、えぇっなんでぇ? って言うほど詳しく知ってた。なにか問題が大きくなっているみたいで、困っている様子だったかな。 それで、処分は しないけれど、当分は家庭学習してくださいと提案されて、あらどうしましょうって 感じ。他の生徒への影響もあるのでと言うから、悩む」
「だめだよ、そんなの絶対」務が速攻で否定する。
南も続いて、火を吐くように否定の言葉を並べ連ねた。
「事実上の謹慎じゃん。当分ってどのくらい? 長引けば停学と変わらないよ。認めちゃだめだからね。盗んでないのは明らかだし、お店との間ではもう解決してることなんでしょ。なら外野がピーチクパーチク言うなって感じだよね。気にしなくていいよ」
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