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二年生の一学期
🐿️
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杏奈が奈緒を伴って車両から離れると、そっと抱きしめた。
「でもよかったぁ。署名集めしようと思っていたのよ。成瀬さんを復学させてくださいって。一時は転校って話が出ていたから、学年を越えたコンセンサスを得るのに必死だったの。段取りをつけたら報告しに行こうと思っていたんだけど、なかなか顔見せられなくてごめんね」
「ううん。杏奈ちゃんのこと信じてたから。南ちゃんからも、わたしを心配してくれるみんなを まとめてくれてるよって、教えてもらってた」
「そう、小沢さん来てたの」
意外そうにそう言って南を見つめた杏奈に、彼女が言葉を返す。
「んー、そっとしておいたほうがいいって言われたけど、あんまり長く休みすぎるから心配でさ」
務が、くすりと鼻を鳴らす。
「今日はたまたま生徒会の都合で朝早かったけれど、普段はいつも通りだから一緒に学校に行こうよ」
はにかんだ様子で頬の内側に笑みを湛えた奈緒が上目遣いで務を見上げると、無言のそよ風が吹いたほんの一瞬を裂いて、杏奈が「そろそろ学校に行こうよ」と口を挟む。
学校に着いて昇降口までやって来るとそこには、バスケのドリブルの練習をする体操着姿の春樹がいた。
「ようやく登校か。奈緒がいなくて寂しかったぞ。休んでいる間に区大会終わっちゃったし」
「またあったの? どんだけ~?」奈緒が驚く。
「インターハイは予選敗退だったから、反省試合みたいなもん。いつもの如くうちらはベスト8.品川区からは本戦に進めた学校なかったしな。そんでもって俺ら優勝」
「すごい」
奈緒が褒め称える横で、南が冷めた目で二人を見やる。
「優勝ったって、練習試合ででしょ」
ワイワイ大笑いしながらエレベーターで五階まで上がっていった奈緒だったが、教室を目前にするとしょんぼりしだした。心臓が打つ早鐘が鳴り止まない。
誰も無理強いをしなかったが、無言で教室に入ろうと促すみんなの真ん中にいたこの子が、怯えて震えながらも恐る恐る教室の中を見やる。
「あ、成瀬さん、来たんだ学校。もう体調大丈夫なの?」
奈緒の位置から対局にある窓側最前列の席にいた市川穂香が、驚きの声を上げで立ち上がった。すると、一緒にお喋りをしていた後ろの席の露木美奈子が振り向く。
「でもよかったぁ。署名集めしようと思っていたのよ。成瀬さんを復学させてくださいって。一時は転校って話が出ていたから、学年を越えたコンセンサスを得るのに必死だったの。段取りをつけたら報告しに行こうと思っていたんだけど、なかなか顔見せられなくてごめんね」
「ううん。杏奈ちゃんのこと信じてたから。南ちゃんからも、わたしを心配してくれるみんなを まとめてくれてるよって、教えてもらってた」
「そう、小沢さん来てたの」
意外そうにそう言って南を見つめた杏奈に、彼女が言葉を返す。
「んー、そっとしておいたほうがいいって言われたけど、あんまり長く休みすぎるから心配でさ」
務が、くすりと鼻を鳴らす。
「今日はたまたま生徒会の都合で朝早かったけれど、普段はいつも通りだから一緒に学校に行こうよ」
はにかんだ様子で頬の内側に笑みを湛えた奈緒が上目遣いで務を見上げると、無言のそよ風が吹いたほんの一瞬を裂いて、杏奈が「そろそろ学校に行こうよ」と口を挟む。
学校に着いて昇降口までやって来るとそこには、バスケのドリブルの練習をする体操着姿の春樹がいた。
「ようやく登校か。奈緒がいなくて寂しかったぞ。休んでいる間に区大会終わっちゃったし」
「またあったの? どんだけ~?」奈緒が驚く。
「インターハイは予選敗退だったから、反省試合みたいなもん。いつもの如くうちらはベスト8.品川区からは本戦に進めた学校なかったしな。そんでもって俺ら優勝」
「すごい」
奈緒が褒め称える横で、南が冷めた目で二人を見やる。
「優勝ったって、練習試合ででしょ」
ワイワイ大笑いしながらエレベーターで五階まで上がっていった奈緒だったが、教室を目前にするとしょんぼりしだした。心臓が打つ早鐘が鳴り止まない。
誰も無理強いをしなかったが、無言で教室に入ろうと促すみんなの真ん中にいたこの子が、怯えて震えながらも恐る恐る教室の中を見やる。
「あ、成瀬さん、来たんだ学校。もう体調大丈夫なの?」
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